近年「睡眠の質を上げる」「ストレスを緩和する」などのキャッチコピーのついた商品がよく話題にのぼる。また、それらの商品に含まれる乳酸菌などと免疫力との関係が注目されているのは知っている。でも、どのようなしくみで「体によい」のかはよく知らないという人が多いのではないだろうか。
これら乳酸菌などの「菌」が多く棲んでいるのが、人間の腸である。人間の腸内にはおよそ100兆個の菌が存在しており、人間とは共生関係にある。そして、体内の菌が人間に及ぼす影響については、今まさに世界中で新しい発見が次々生まれている分野だ。本書は、そんな腸と免疫に関する最新情報を、日本の読者に向けてまとめたものである。
著者によれば腸内細菌は、人間と共生していることは知られているもののまだまだ謎の多い「未確認生命体」である。人間とは別の生命体でありながらも、人間が食べるものによっては有益な副産物をたくさん生み出してくれる味方になりうるのが、腸内細菌だ。本書は最新データをひもときながら、健康とされる食べ物がどのように腸にとって有益なのかを探り、菌とよりよい共生関係を築くことを目的としたものである。
本書のサブタイトルには「知的冒険」とある。この名の通り、本書を読むことは健康に役立つだけでなく、菌と体質の関係から新しい気づきを得るわくわく感を与えてくれる。ぜひ、楽しみながら読んでほしい1冊だ。
今回ご紹介した「9000人を調べて分かった腸のすごい世界」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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