KDDI、「ゲームストリーミング専用の5G回線」をXperiaで実証--混雑下でも快適プレイ可能

 KDDIとソニーは9月20日、「5G SA」のネットワークスライシング技術を活用し、通信が混雑した環境においても、安定したゲームストリーミング体験の提供が可能になったと発表した。自宅と同等のゲーム体験を屋外の混雑エリアでも楽しめるという。


  1. 「真の5G」の技術を活用
  2. 一般ユーザーの通信品質が犠牲に? KDDIの回答は

「真の5G」の技術を活用

 5G SAは「真の5G」とも呼ばれ、コアネットワークを含めたシステム全体を5Gに統一している。このため、現在一般的な5G NSA(4Gのコアネットワークを流用した5G回線)と比較して、ネットワークを仮想的に分割し、通信の用途ごとに帯域や遅延を細かく制御する「ネットワークスライシング」など、5G独自の機能を利用できる。

 KDDIとソニーは今回、5G SAのネットワークスライシング技術をゲームストリーミングに適用。スタジアムやイベント会場など、人が多く集まり回線が混雑する環境下において、ゲームストリーミング向けに一定の通信品質を保証することに成功したという。混雑の影響を受けずに、自宅と変わらない安定したゲームプレイを実現したとしている。




 このように、通信の用途ごとにネットワークを仮想的に分割し、用途に応じて一定のネットワーク品質を保証できる点が5G SAの特徴で、今後は自動運転、遠隔診断、映像中継、遠隔イベント専用のネットワークスライスの提供も目指す。KDDIは「サービスに合わせてネットワークをオーダーメイドできる」とも説明した。


 なお、ネットワークスライシングを活用した商用サービスは2024年度以降に開始するという。一般向け5G SAサービスは2023年4月から開始しているが、5G SAエリアは現時点で一部にとどまっており、ネットワークスライシングの本格展開には5G SAエリアの拡充が必要となる。


一般ユーザーの通信品質が犠牲に? KDDIの回答は

 なお、ネットワークスライシングを活用すれば、例えばフェス会場など、人が集中して一般ユーザーが通信しづらい環境下でも、ゲームストリーミングを快適にプレイできる。

 この点、「ゲームストリーミング向けの通信を優先するあまり、一般ユーザーは余計に通信しづらくなってしまうのでは?」との心配も生じる。

 こうした懸念についてKDDIは「一般ユーザーよりもゲームストリーミングの通信を優先するという考えはない」と強調。KDDIとしては、そもそも「通信がしづらい環境を無くすこと」に注力しており、一定程度の通信品質を確保したうえで、さらに混雑などの影響を受けず、安定した通信環境を提供するためにネットワークスライシングを活用していくと説明した。

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