無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)と、電気通信事業者協会(TCA)加盟の携帯電話事業者5社(NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイル)は9月4日、大規模な通信障害が発生した時の連絡手段の提供を目的として、災害用統一SSID「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)を活用した公衆無線LANサービスを無料開放すると発表した。
Wi-Bizは2023年5月、携帯電話事業者5社からの要望に基づき、通信障害発生時の「00000JAPAN」の活用に関する「大規模災害発生時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン」を改定。自然災害の発生による通信サービスの停止だけでなく、通信事業者のネットワーク障害などのサービス停止の際にも、「00000JAPAN」の開放が可能となった。
これにより、携帯5社において大規模な通信障害が発生し、利用できない状態が継続する、復旧までに時間を要する懸念があるといった場合、趣旨に賛同する携帯電話事業者や公衆無線LAN事業者および自治体などのアクセスポイントから提供する「00000JAPAN」を利用できる。
Wi-Bizは、2011年に発生した「東日本大震災」の教訓を元に、災害時に公衆無線LANを無料で開放する活動を推進。2014年4月に「大規模災害発生時における公衆無線 LAN の無料開放に関するガイドライン」を制定・発表している。
また、2016年4月に発生した「熊本地震」では、大手通信事業者の協力を得て、「00000JAPAN」を商用環境で初めて提供。その後、商用利用の規定などを定め、独自に構築されたWi-Fi環境を、有事の際に災害時ネットワークへ開放できるように、ガイドラインの改定を実施している。
なお、「00000JAPAN」は、緊急時の利便性の確保を優先するため、通信が暗号化されていない。そのため、個人情報などの重要な情報の入力は避けるように呼びかけている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」