コンパクトな高性能スマホ「ASUS Zenfone 10」レビュー--国内ユーザーのニーズを掴めるか

 ASUS JAPANは9月6日、スマートフォン「Zenfone」シリーズの最新機種「Zenfone 10」を9月8日から国内発売することを発表した。

 Zenfone 10は6月にグローバルで発表され、コンパクトながら高性能なスマホとして注目を集め、すでに海外では販売が始まっている。今回、国内発売前に試用する機会を得られたので、レビューをお届けする。

ASUS「Zenfone 10」。カラーは「スターリーブルー」
ASUS「Zenfone 10」。カラーは「スターリーブルー」

コンパクトなボディに高性能チップを搭載

 Zenfone 10は、5.9インチのディスプレイを搭載するAndroidスマートフォンだ。本体サイズは高さ約146.5mm×幅68.1mm×奥行き9.4mm、重量は約172gと、片手でも持ちやすいサイズになっている。前モデルの「Zenfone 9」と比較すると、奥行きが0.3mm厚く、重量が3g重くなっている。

本体の背面は、マットな質感で少しザラザラしており、手から滑りにくくなっている
本体の背面は、マットな質感で少しザラザラしており、手から滑りにくくなっている
ベゼルは狭く、上下が少し広めになっている
ベゼルは狭く、上下が少し広めになっている

 Zenfone 10の右側面には、指紋センサー内蔵の電源ボタンがある。右手でスマホを持ち、親指でロックを解除すれば、片手でサッと使えるというわけだ。

 また、電源ボタンや音量ボタンはスマートキー「ZenTouch 2.0」としての役割も果たす。例えば、音量ボタンを2回押すとカメラが起動して撮影したり、電源ボタンをスワイプすることで画面をスワイプしたりできる。

右側面には音量ボタン、電源ボタンがある。カメラが飛び出しているが、本体の厚みが増したことで、前モデルよりは目立たなくなっている
右側面には音量ボタン、電源ボタンがある。カメラが飛び出しているが、本体の厚みが増したことで、前モデルよりは目立たなくなっている
左側面。側面のカラーは「コメットホワイト」のみシルバーで、ほかはブラックだ
左側面。側面のカラーは「コメットホワイト」のみシルバーで、ほかはブラックだ

 本体カラーのコンセプトは「宇宙との調和」。今回試用した「スターリーブルー」のほか、「ミッドナイトブラック」「オーロラグリーン」「エクリプスレッド」「コメットホワイト」の計5色が販売される。ただし、メインメモリーとストレージ容量によってカラーが限定されるので、購入前に確認してほしい。

(左から)ミッドナイトブラック、スターリーブルー、オーロラグリーン、コメットホワイト、エクリプスレッド
(左から)ミッドナイトブラック、スターリーブルー、オーロラグリーン、コメットホワイト、エクリプスレッド
底面には、nano SIMカードスロット×2、マイク、USB Type C端子、スピーカーが搭載されている
底面には、nano SIMカードスロット×2、マイク、USB Type C端子、スピーカーが搭載されている

 Zenfone 10には「ツインアプリ」機能があり、1台の端末で同じアプリを2つ起動できる。DSDV機能と組み合わせることにより、2つのLINEアカウントにログインしておくことも可能だ。

SIMトレイを出したところ。デュアルSIMが利用できる
SIMトレイを出したところ。デュアルSIMが利用できる
ツインアプリでLINEアカウントを2つ併用できる
ツインアプリでLINEアカウントを2つ併用できる

 天面には、マイクと3.5mmのイヤホンジャックが搭載されている。有線イヤホンを愛用している人には嬉しい仕様だ。「Dirac Virtuo」での空間オーディオに対応しており、「オーディオウィザード」で好みの音質にチューニングできる。プリインストールされている「NePLAYER」アプリを使って、ハイレゾ音源も聴ける。

 Dirac Virtuoの空間オーディオを試してみたが、通常モードだと左右から聞こえるサウンドが、Dirac Virtuoに切り替えると周囲から聞こえるような広がりを感じた。スピーカーの音質もよく、音楽を十分に堪能できる端末だ。

3.5mmイヤホンジャックが搭載されている
3.5mmイヤホンジャックが搭載されている
Dirac Virtuoの空間オーディオで音楽や映画を堪能できる
Dirac Virtuoの空間オーディオで音楽や映画を堪能できる

 Zenfone 10には、急速充電対応のUSB ACアダプターや専用ケースも付属する。専用ケースはハードケースで、やはり滑りにくいザラザラとした質感だ。薄いながらも、画面を守れるように縁が高めに設計されている。スマホを購入して即日持ち出せるのはありがたい。

同梱される急速充電対応ACアダプターと専用ケース
同梱される急速充電対応ACアダプターと専用ケース
専用ケースはブラックで、カメラの周囲から本体カラーが見える
専用ケースはブラックで、カメラの周囲から本体カラーが見える
前面は縁が高くなっており、ディスプレイが割れにくい
前面は縁が高くなっており、ディスプレイが割れにくい

高性能チップセットや「FeliCa」搭載、防水に対応

 Zenfone 10はハイエンドなチップセット「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2」を搭載している。これにより、前モデル(Snapdragon 8 Gen 1搭載)よりもCPU性能が15%、GPU性能が20%、電力効率が15%向上したという。「AnTuTu Benchmark」を試したところ、1600179というスコアが出た。

「AnTuTu Benchmark」のスコアは1600179
「AnTuTu Benchmark」のスコアは1600179

 メインメモリーとストレージ容量は、16GBと512GB、8GBと128GB、8GBと256GBの3パターンが用意される。

 バッテリーは4300mAhで、急速充電(最大30W)とワイヤレス充電(最大15W)に対応する。バッテリー持ちはWi-Fi通信時は約13.4時間、モバイル通信時は約13.9時間(LTE)、約12.2時間(5G)とされている。筆者が30分ほどWi-FiでYouTubeを視聴したところ、バッテリーが4%減少した。20%の状態から急速充電を行ったところ、約70分で100%に達した。

 ディスプレイは5.9インチAMOLEDディスプレイで、解像度は2400×1080ドット(フルHD+) 、リフレッシュレートは144Hzで滑らかな描写ができる。

 防水防塵性能はIP65/IP68で、水流や水没にも耐え、粉塵の侵入を防ぐことができる。水を使う家事をしたり、アウトドアで持ち運んだりしても安心だ。

 また、前モデル同様「FeliCa」を搭載しており、おサイフケータイが利用できる。国内ユーザーとしては決め手になるポイントだろう。

FeliCa搭載によりおサイフケータイが利用できる
FeliCa搭載によりおサイフケータイが利用できる

ジンバルスタビライザー搭載で手ぶれに強いカメラ

 本体の背面には、5000万画素の広角カメラ、1300万画素の超広角カメラを搭載。インカメラは3200万画素の広角カメラとなっている。

5000万画素にするには設定で変更する
5000万画素にするには設定で変更する

 メインカメラの広角カメラは、6軸ジンバルスタビライザー2.0と光学式手ぶれ補正機能が搭載されており、画角調整機能「アダプティブEIS」も有効にするとブレの少ない動画が撮影できる。筆者は走りながら動画を撮影してみたが、確かにジンバルを使って撮影したような滑らかさがあった。子どもやペットを追いかけながら撮影しても、揺れが少ない動画が撮れるだろう。

 それでは写真の作例を見てほしい。HDRはオートで、設定はデフォルトで撮影した。

駅:(x1)で撮
駅:(x1)で撮
駅:(x0.6)で撮影
駅:(x0.6)で撮影
駅:(x2)で撮影
駅:(x2)で撮影
渋谷:(x1)で撮影
渋谷:(x1)で撮影
渋谷:(x0.6)で撮影
渋谷:(x0.6)で撮影
庭園:(x1)で晴天時に撮影。空と緑は鮮やかな色合いに補正されている
庭園:(x1)で晴天時に撮影。空と緑は鮮やかな色合いに補正されている
花:(x1)で撮影。被写体に近寄ると周囲が自然にボケる
花:(x1)で撮影。被写体に近寄ると周囲が自然にボケる
料理:(x1)で撮影。少し暗い店内なので見たままという印象
料理:(x1)で撮影。少し暗い店内なので見たままという印象
料理:(x1)で撮影。近づけると鮭の照りがはっきりと映ったが、今回はボケが少々不自然だ
料理:(x1)で撮影。近づけると鮭の照りがはっきりと映ったが、今回はボケが少々不自然だ
料理:(x8)で撮影。デニッシュパンの層が細かく映った
料理:(x8)で撮影。デニッシュパンの層が細かく映った
夜景:(x1)で夜景を撮影。建物や噴水もはっきりと映し出された
夜景:(x1)で夜景を撮影。建物や噴水もはっきりと映し出された
インカメラで通常モードで撮影
インカメラで通常モードで撮影
インカメラでポートレートモードで撮影。肌が美しく加工された
インカメラでポートレートモードで撮影。肌が美しく加工された

 撮影してみて感じたことは、メインカメラでの接写の良さだ。被写体に近づけると、細かなところまではっきりと撮影され、周囲がボケる。料理に近づけて撮るとシズル感あふれる写真になった。また、夜景に関しても、ライトに照らされる噴水が美しく撮影され、感動を覚えた。

 AI補正により青空や緑が鮮やかになる一方で、室内など周囲が暗い場面で明るく補正することは行わないようだった。気になる場合は設定を変えたり、PROモードで撮影するといいだろう。

国内ユーザーのニーズを掴む高性能スマホ

 コンパクトな本体は女性の手でも握りやすく、デザインも雑貨のようなかわいらしさを感じた。CPUが高性能なこともあり、ゲーム好きな人のニーズにも応えそうだ。また、ZenTouchなど、Zenfone独自の機能が豊富に用意されており、自分らしいスマホにカスタマイズしていく楽しさもある。防水やおサイフケータイも国内ユーザーにとってはうれしいポイントだろう。大型化が進むAndroidスマホのなかで、片手で操作できる高性能スマホが欲しい人にはうってつけのモデルだ。

 ASUSは一部のメディアで「Zenfone 10でZenfoneシリーズが終了する」と報じられたことに対し、8月29日に「真実ではない」とのリリースを出した。今後も、Zenfone並びに同社のゲーミングスマホ「ROG Phone」シリーズを継続していくという。

 Zenfone 10は、最大で2回の大型アップデートと4年間のセキュリティ対策を保障する。販売価格(以降、価格は全て税込)は、8GB/128GB(ミッドナイトブラック)が9万9800円、8GB/256GB(ミッドナイトブラック、コメットホワイト、スターリーブルー、エクリプスレッド、オーロラグリーン)が11万2800円、16GB/512GB(ミッドナイトブラック、スターリーブルー)が13万4800円。

 別売アクセサリーのConnexケースとカードホルダー、スマートスタンドがセットになった「Zenfone 10 Connex Accessories Set」が5280円だ。

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