モバイルゲーム用の完璧なデバイスがどのような見た目になるのかは、まだ誰にも分からない。しかし、その内部に搭載されるものについては、ある程度のイメージができつつある。それは、AMDかQualcomm、どちらかの製品になりそうだ。さらにQualcommは、自社の「Snapdragon G」シリーズで、低価格製品から高価格機まで、広範な価格帯でゲームに注力した携帯デバイスに搭載されることを目指している。
Qualcommは今回、ハイエンドチップセット「Snapdragon G3x Gen 2」を発表し、これを搭載する携帯ゲーム機のリファレンスデザインを一部OEM/ODMに提供開始した。このチップセットは、最先端の機能と性能を備えるべく作られた製品に搭載されるものだ。このG3x Gen 2は第2世代の「G3」で、Razerは「Razer Edge」に第1世代のG3を採用している。
では、最先端と認められるにはどのような要素が必要なのだろうか。それは、「AAA」に格付けされるモバイル版の大型タイトルなど、消費電力が多く、発熱を引き起こし、ユーザーとしてはスマートフォンにここまでの負担をかけたくないと思うようなモバイルゲームをプレイするのに必要なものすべてだ。具体的には、アクティブ冷却やハードウェアレイトレーシング、ハプティクス(触覚)、ゲーム向けのアップスケーリング、XRグラスとのテザリング、最新世代のBluetooth(音声接続の遅延を最低限に抑えるため)、高速の「Wi-Fi 7」および5Gネットワークへの接続だ。今回のリファレンスデザインで各機能を解説した図を見ると、3000mAhのデュアルバッテリー搭載や、アップグレード可能なストレージのサポートも示唆されている。
現時点ではまだ、有名企業のパートナーがQualcommに列をなす状態にはない(ただし、サムスン、Googleとの強力な提携関係は常に存在する)。あるいは、同社が明らかにしていないだけなのかもしれない。
筆者が目にしたG3x Gen 2搭載のリファレンスデザインは、Qualcommが第1弾のG3を発売した時にScott Stein記者が見たものとかなり似ていた。ただし、デザインはその時よりも若干角張っている。XRグラスと接続すると、未来を一足先に体験できる。しかも、前を向いてプレイできるので、没入感が増す。長時間使う場合、グラスがない時のように下を向いて操作するよりもこちらの方がはるかに快適なのだ。
今のところ、初期段階にあるモバイルゲーム端末市場は、実質的にQualcommとAMDが支配している状態だ。AMDの「Ryzen」プロセッサーは、「Xbox」の「Series X」および「Series S」や「PlayStation 5(PS5)」のような高価なゲーム機および、Valveの「Steam Deck」やASUSの新しい「ROG Ally」のようなPCゲームがプレイできるハンドヘルド端末で人気がある。一方、「Android」搭載マシンであれば、QualcommのSnapdragonを採用していることもあるはずだ。
QualcommはSnapdragon G1を、ローカルまたはクラウド経由でのゲームストリーミングのみを目的としたファンレスのデバイス向けに提供する。
そしてG1とG3の中間に位置するのがG2で、フル機能のモバイルおよびクラウドゲーム向けにWi-Fi 6/6Eと5Gに対応する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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