2023年5月の時点で、「Gmail」をメインのメールクライアントとして使用しているユーザーの割合は27.96%だった。世界中に無数のユーザーがいるGoogleは、Gmailのセキュリティを強化する新機能の追加を常に検討しているはずだ。
筆者もGmailを使用する数十億人のユーザーの1人であり、機密情報(契約書など)を他の人に送信しなければならないことがよくある。本当はGPG暗号化(「Thunderbird」などで提供されている)でセキュリティを保護したいのだが、Gmailでは利用できない。
幸い、Gmailには、機密情報を不正なアクセスから保護するのに役立つ「情報保護モード」という機能がある。情報保護モードでは、メッセージの有効期限とパスワードを設定したり、いつでもアクセス権を取り消したりすることが可能だ。また、情報保護モードを使って送信されたメッセージの受信者は、そのメッセージを転送やコピー、印刷、ダウンロードすることはできない。実際の暗号化に完全に取って代わるものにはならないが、Thunderbirdの暗号化機能よりもはるかに簡単に使える。
情報保護モードについては、注意点もある。それは、受信者が機密情報の含まれるメールのスクリーンショットを撮って、その画像を別の人に送信するという行為は防げないという点だ。つまり、情報保護モードは完璧ではない。それでも、正しい方向への一歩であることは間違いない。
以下で、情報保護モードの使い方を紹介しよう。
情報保護モードを使用するのに必要なのは、ウェブベースのGmailクライアントまたはモバイルアプリ(「Android」版と「iOS」版が提供されている)でのGmailアカウントだけだ。ここでは、ウェブ版(ほぼすべてのウェブブラウザーで機能する)を使用して説明を進めるが、アプリ版でも手順は同様だ。
それでは、情報保護モードを実際に使用してみよう。
ウェブブラウザーを開いてGmailにアクセスし、ログインする。
「作成」をクリックして、Gmailの作成ウィンドウを開く。そのウィンドウの下部にある南京錠に時計が付いたアイコンをクリックする。
表示されたポップアップで、有効期限のドロップダウンをクリックし、「1日」「1週間」「1カ月」「3カ月」「5年」の中から適切なものを選択する。
パスコードを追加したい場合は、「SMSパスコード」を選択する。「保存」をクリックすれば、作成ウィンドウに戻る。
いつもと同じようにメールを作成し、「送信」をクリックする。そうすると、別のポップアップが表示され、受信者の電話番号を入力するように求められる。
「送信」をクリックすると、メッセージが送信される。受信者には、内容を確認するためのリンクが記載されたメールが届く。受信者がそのリンクをクリックすると、新しいウェブページが開き、パスコードを受け取るためのリンクをクリックするよう求められる。パスコードを受け取った後、ブラウザーのポップアップに入力して、「送信」をクリックすると、メッセージを閲覧できる。
情報保護モードのメッセージを送信した相手の電子メールアカウントが何であれ、受信者はウェブブラウザーでメッセージを開く必要がある。メールの内容が表示される画面では、閲覧すること(と先述したスクリーンショットの撮影)以外何もできない。
Gmailの情報保護モードを使用する手順は、以上だ。機密情報を含むメッセージをやりとりする際は、悪人の手にその情報が渡ってしまうのを防ぐため、この機能を使うことを検討してほしい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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