離島で初めてAkerunデジタルキー導入、対馬からテクノロジーで地域活性化目指す

 スマートロックを活用した「Akerun入退室管理システム」を展開するフォトシンス。Akerun入退室管理システムを構成するAkerun Proはサムターン型の鍵がついているさまざまなタイプの扉に対応しており、特殊両面テープで後付け設置が可能だ。またAkerun入退室管理システムは、錠管理、鍵管理、セキュリティ管理、プロダクト管理の4つの管理ができるほか、勤怠管理サービスなどの外部システムとAPI連携できる。

コワーキングスペース「AGORA」入口
コワーキングスペース「AGORA」入口

 このAkerun入退室管理システムを離島で初めて導入したのが、長崎県対馬市を拠点に放送事業、ITソリューション事業、人材育成事業、コワーキングスペース事業などを展開するコミュニティメディアだ。複数拠点での物理鍵の管理や利用状況の把握、紛失リスクなどのセキュリティ課題を抱え、離島を含む複数拠点を遠隔管理する必要からAkerun入退室管理システムを導入したところ、効果を上げているという。コミュニティメディアで代表取締役を務める米田利己氏、専務取締役の米田伊織氏に、詳しく話を聞いた。

Akerun入退室管理システムを導入した理由とは

 コミュニティメディアの事業は、自主テレビ番組制作、放送やインターネットプロパイダ事業のほか、クリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO対馬/出島」やコワーキングスペース「AGORA」の運営など、多岐にわたる。

コミュニティメディア代表取締役 米田利己氏
コミュニティメディア代表取締役 米田利己氏

 長崎県対馬市をサービスエリアとするケーブルテレビ局「対馬市CATV」の運営には、番組制作や取材などのスキルを持ったスタッフの協力が不可欠だ。「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」は、こうした制作に関わるスキルを持つ人材を地域で育てることや離島での高度デジタル人材の育成を目的に、2018年にオープンしたという。併設するコワーキングスペース「AGORA」も、新しい働き方や学び方を地域で実践する場所として、同社が運営している。

コワーキングスペース「AGORA」
コワーキングスペース「AGORA」
ケーブルテレビ局「対馬市CATV」
ケーブルテレビ局「対馬市CATV」

 「デジタルハリウッドSTUDIO対馬の卒業生や受講生向けに、コワーキングスペースは当初からあったんです。しかしそれでは一般の方に利用してもらえないので、隣の物件が空いたところで、コワーキングスペース事業として独立してスタートしました」と代表取締役の米田氏は話す。現在は対馬のほか、出島、また廃校となった雲仙小学校の跡地に「AGORA雲仙サテライト」を2021年にオープンし、3拠点のコワーキングスペースを運営している。

「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」入口
「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」入口
スマホ画面で管理できる
スマホ画面で管理できる

 現在、コミュニティメディアがAkerun入退室管理システムを導入しているのは、対馬と出島のスクールとコワーキングスペースだ。「出島のコワーキングスペースでは、朝6時台からヨガのレッスンなどを開始していることもあります。そういったイベントの前に、社員が物理鍵を忘れるなど何かトラブルがあったとき、Akerun導入前は本社から離島などの拠点に時間をかけて誰かを派遣していました」と話すのは米田伊織氏。拠点間でも往復4時間ほどの距離があり、移動は大きな負担になっていたという。大手のセキュリティシステムほど導入にコストがかからず、耐久性や動作保証の面でも信頼できると考え、Akerun入退室管理システムを導入した。

コミュニティメディア専務取締役 米田伊織氏
コミュニティメディア専務取締役 米田伊織氏

 導入後は、社員にICカードを鍵として配布しているほか、管理者となる社員には24時間、遠隔地からアプリで施解錠できる権限を付与した。これにより、移動の負担などを削減でき、複数拠点の管理業務を効率化できたという。

テクノロジーを地域活性化につなげる

 代表取締役の米田氏は、Akerun入退室管理システムを始めとしたテクノロジーの活用に積極的だ。その理由として、対馬や出島といった場所からさまざまな成功事例を生み出し、地域活性化につなげていきたいと語る。

 「対馬のいちばんの課題は、高校を卒業しても行く場所がないことです。島内で就職できればいいですが、役場の職員などになろうとしても、全員の希望が叶うわけではありません。そのため、高校を卒業した世代がみんな島からいなくなってしまうんです。そこで、まずは島内で勉強できる場を作りたいと考えました。学校法人を設立するのは難しいですが、デザインや3DCG、メタバースやドローンを学べる専門スクールを運営することで、島内の役に立ちたいと思ったんです」(米田氏)

クリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」
クリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO対馬」

 スクールで学んだ技術をもとに、専業のデザイナーやプログラマーになる道以外に、家業を手伝いながらデザインや動画制作の仕事をする働き方もある。卒業生がコミュニティメディアの社員として活躍することも少なくないという。また、パートナーの転勤などに伴って島を離れることがあっても、場所を問わない仕事であればそのまま続けることができる。米田伊織氏は「コミュニティメディアには、石川県金沢市に移住しながら正社員を続けているスタッフもいます」と話す。スクールの受講生や卒業生、社員の幅広い働き方を支援することが、地域の活性化にもつながると考える。

 コミュニティメディアは、経済産業省の共同講座創造支援事業に採択された「海洋デジタルツイン講座」も長崎大学で開講した。

メタバースや海洋デジタルツインを活用できる人材を育成
メタバースや海洋デジタルツインを活用できる人材を育成

 「対馬の主要産業である漁業は、磯焼けや赤潮、ごみの漂着などの海洋問題を抱えています。メタバースや海洋デジタルツインを活用できる人材を育成することが、地域の漁業の課題解決にもなるんです。漁業以外の既存産業についても、たとえば農業にドローンを使うとなれば、数時間かけていた作業が数分で終わる。これならきつくないし、若い世代にも興味を持ってもらえます」(米田氏)

 米田氏は、若い世代に島に残ってもらうには、勉強できる場と仕事に加えて、楽しみも必要だと話す。クリエイティブな人材の教育や育成などを目的に、国内外のアーティストを対馬に呼び作品制作に打ち込んでもらうアーティスト・イン・レジデンスを手がけ、芸術祭「対馬アートファンタジア」にも協力した。

芸術祭「対馬アートファンタジア」の様子
芸術祭「対馬アートファンタジア」の様子

 Akerun入退室管理システムで複数拠点での鍵の管理を効率化し、多岐にわたる事業を手がけるコミュニティメディア。今後も「現代の出島」として、新たな体験の発信地として役割を果たしていきたいと、代表取締役の米田氏は語った。

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