パナソニック ホールディングスのプロダクト解析センターは8月1日、ブレインインパクトの監修のもと、顔映像から脳の健康状態を示すBHQ(Brain Healthcare Quotient)を推定する計測器を開発したと発表した。
BHQは、MRI計測により、脳の健康状態をわかりやすい数値で示す、国際標準に承認されている指標。脳の健康状態を数値で示すことで、病気になる前の健康な状態から、脳の健康を管理できるように、内閣府ImPACT山川プログラムにて開発されている。
同社のプロダクト解析センターでは、これまで人間の感覚や感情、身体への負担など、人のココロとカラダの状態を可視化・定量化するためのユーザビリティ評価技術を開発しており、オリジナルの表情解析技術も有しているという。
一般に「認知症患者の表情は乏しくなる傾向がある」といわれている。そこで、「認知症」と「表情を作る能力」との間に何らかの相関関係があると仮説を立て、実証データの収集と推定精度の高い仕組み構築を進めてきた。
こうした中で、MRI計測によって導き出された数値と独自のアルゴリズムで解析した結果、一定の相関関係を確認。推定BHQを計測する機器の開発を決定した。
今回開発した推定BHQ計測器は、モニターに映し出された喜怒哀楽の表情(練習1回、喜怒哀楽の4表情)を参加者にまねてもらい、その表情・感情の変化からBHQを推定する。計測結果は、実年齢から想定されるBHQ値と計測した推定BHQ値の差分のほか、推定した脳の健康状態を3段階(高/平均/低)でも表示可能。
また、短時間(計測時間は1分程度)で簡易にBHQの数値化体験を提供できるため、日常生活の中、公共のスペースなどにおいても利用できるという。
なお、セントラルスポーツが運営する「セントラルウェルネスクラブ24 葛西」において同計測器を導入。脳の健康に良いとされる運動を日常的に実施しているフィットネスクラブ利用者に任意で推定BHQ計測とアンケート回答を実施した。調査対象は、会員94名、平均年齢 67.3歳の属性に対して効果検証をした結果、脳の健康状態の可視化が利用者のモチベーションアップに効果があることを確認したという。
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