「シャニマス」ソロライブで見た“輝く個性と楽曲の新たな魅力を引き出すステージ” - (page 3)

　個々にソロ曲を披露して盛り上がるライブにとどまらない、朗読劇を通じてストーリーを提示し、その世界観も含めて楽しむことができるという、舞台やミュージカルを見ているような感覚になれる公演であり、5thライブでも感じられたような、DAY1とDAY2で同じソロ曲が歌われても、提示された世界観やストーリーが異なると、違った感覚を受けるということも実感できるものとなっていた。

　これまでの積み重ねで培われ、成長を続けているしているパフォーマンス力もさることながら、アイドルマスターシリーズのライブではハンドマイクが多用されているなかで、今回は全編通してヘッドセットマイクだったことも、振り付けなど表現の幅を広げ、個性をより際立たせるものに。演出も含めて挑戦していると感じられた公演であったとともに、輝く個性と楽曲の新たな魅力を引き出すようなライブと思えた次第だ。

　また余談ではあるが、筆者お気に入りのアイドルが桑山千雪であることを踏まえても、印象的と思える場面はいろいろとあった。公開されている千雪のイラストで着用している個別のステージ衣装がお似合いと思うなかでも、ピンクを基調に白のストライプが入ったジャケットやスカートがかわいい、同じカラーリングの小さなシルクハットを頭に付けているところがかわいい、右足だけニーハイソックスをはいているところがかわいい、両手でハートマークを作っているところがかわいい、髪を束ねているところもかわいいと感じていたなかで、芝崎さんが“桑山千雪実写版”さながらの再現度で登場したこともあり、同じような感想を持ったことをはじめ、「SWEET♡STEP」でかわいらしさあふれる千雪の姿を表現しつつ、前述の通り礒部さんと大きなハートを作っていたのだが、まさかこの2人がDAY2であのようなシーンを見せるとは思っていなかったこととか、DAY1序盤で千雪としての挨拶をしつつ、その千雪が隣にいるかのように、肩に手をかけている風に見せながら芝崎さん自身としての挨拶を行っていたのもほほえましかったこととか、DAY2での挨拶では1番手を務め終わったあとということもあって明らかに興奮している様子がうかがえたなか、芝崎さんの要望で“わがままな”“まま”のコール＆レスポンスを、客席側がコールして芝崎さんが返す形で行われたのだが、ステージに立つ側がコールして、客席側が返すパターンを反対にして行うのは、筆者がこれまで見てきたライブイベントでも記憶にないぐらいだったので新鮮だったとか、そのうえで芝崎さんが「ままーーー!!」と叫ぶところはインパクトが大きかったこととか、インパクトといえば公式パンフレットやシャニマスブランド公式Twitter改めXに投稿されていた“いつも見てるよ千雪うちわ”もインパクトがあったとか、カーテンコール時にテンション高くハートマークを作ったり投げキッスをしたりと、“ウッキウキ”“ルンルン”という文字が見えそうなぐらいに手を振って挨拶しているところもかわいいポイントとして触れておきたいなどいろいろとあるが、やはり見せ場となったのは、ソロ曲「Darling you!」のステージだろう。

　この曲はジャズやビッグバンドがイメージされる曲調にのせて歌われる、相手のことを楽しませたり喜ばせたいという気持ちを詰め込んだポップなラブソング。大人な雰囲気はありつつも、キュートで優しさと幸せに満ちた楽曲となっている。千雪としての優しさを感じる歌声と、かわいらしさを感じさせる振り付けも随所に盛り込まれており、見て、そして聴いていくうちに魅了されていくというもの。手でイラストさながらのハートマークを作っているところがかわいい、人差し指を立てて顔のあたりに近づける振り付けがかわいい、両手の人差し指でほほに指を当てるところがかわいい、人差し指でリボンを表現したりハートマークを描く振り付けがかわいい、ワクワクしていたりウキウキとお出かけしているような腕の振りがかわいい……と思い始めると、冒頭で座って歌うところがかわいい、立ち上がって階段を上るところがかわいい、軽くステップを踏むところがかわいい、手を差し出すところがかわいい、衣装についている水色のひらひらをつまむところがかわいい、イラストでは見えにくかったが胸元にあるリボンのついたバッチがかわいい、そこにいるだけでかわいい……という具合に魅了される感覚になるというもの。何より全編通して見せる楽しそうな笑顔は、たくさんの人を笑顔にしたいという千雪の人柄を感じさせつつ、ハートをつかんではなさいと思えるものに。

　DAY1での千雪の挨拶セリフには「遠慮せずに行きます」という言葉があったのだが、人のために何かをする、そして“キミ”を楽しませたり喜ばせたりすることに遠慮はしない千雪を感じさせる、それを体現したものとも思えたところ。加えて、DAY2での同曲披露の時には、1曲目という重責を担うところであるなかで軽快に歌っただけでなく、楽しませたい気持ちをより強く押し出すような歌い方をしていたところも印象的だった。

　そして公演では“わがままで”“遠慮しない”千雪のもうひとつの一面を感じられるところがあった。それは「Killer×Mission」のステージだ。オリジナルはアンティーカとストレイライトが歌唱しており、ハイスピードかつシンフォニックでダークな雰囲気もただよう、攻撃的とも言えるような楽曲。オリジナルメンバーである礒部さんと幸村さん、ダンサブルなステージをシーズとして展開してる山根さんというなかに、芝崎さんが加わっているというところで意表を突かれたところがまずあるだろう。そんななかでもスタイリッシュな千雪の姿を彷彿とさせるようなパフォーマンスや、弓を射るような振り付けで見せるかっこよさも目を引いたところ。

　何より曲の途中では、幸村さんと山根さんが背中合わせになって手をつなぐところでもざわつきが起きていたのだが、芝崎さんと礒部さんはお互い相手のほほに手あて、極めて至近距離で見つめ合うシーンがあり、このときは歓声というよりも大きな悲鳴が聞こえてくるぐらいで、その興奮度ば公演屈指のものだったと言える。そんな見せ場も記憶に残る名場面と言えるのだが、筆者として印象的だったのは、シリアスな表情のなかで時折見せた“笑み”。笑顔とは違う、曲の世界観を表現するような怖さすら感じる笑みはゾクゾクするような感覚になれるものだった。

　シャニマスのゲームで、SRサポートアイドル「【Noir】桑山千雪」のイベントはヴィラン（悪役）をテーマとしたもので、アルストロメリアの3人が悪役について考えたり、実際に演じるシーンが描かれており、悪役の千雪の姿が描かれたイラストがある。ほかにもSRプロデュースアイドル「【よそゆき顔のセレナーデ】桑山千雪」のステージ衣装時のイラストは、大胆で魅惑の表情を浮かべる千雪の姿が描かれている。そんなことが思い浮かぶような光景で、優しく温厚な千雪だけではない、悪役のように見せたり魅惑な表情を浮かべることも遠慮しない千雪の姿を、芝崎さんが体現したステージと思えた次第だ。

　本ライブについては、ASOBISTAGEでのアーカイブ配信を期間限定で実施。配信期間はDAY1とDAY2共通で、7月31日23時59分まで（視聴チケットの販売期間は7月31日12時まで）を予定。販売価格は各6000円（税込）。詳細はライブ特設サイト内配信情報に記載されている。

　今後の展開についても公開された。大きな発表となったのは新ユニット「CoMETIK」（コメティック）の登場。斑鳩ルカのほか、新たに283プロへ加入する「鈴木羽那」と「郁田はるき」の3人によるユニットとなっている。ライブ時点では公開されていなかったが、後日にキャストも発表され、鈴木羽那役を三川華月さん、郁田はるき役を小澤麗那さんが務める。コメティックは、開発中のスマホゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism」（シャニソン）に登場するという。

　「シャニソン」にについては事前登録の受け付けを開始。また櫻木真乃が歌う「ありったけの輝きで」ソロライブ衣装バージョンMVを公開した。

　アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ」について、劇場本予告を公開。映像ではアニメのオープニング主題歌である「ツバサグラビティ」を初披露している。なお、プロデューサー役は夏目響平さんが担当するという。このほか、第2弾キービジュアルなども公開されている。

　10月21日と22日の2日間、幕張イベントホールにて「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5.5th Anniversary LIVE 星が見上げた空」の開催を発表。283プロ8ユニットのうち、コメティックの3人が両日ともに出演予定。残る7ユニットはDAY1とDAY2に分かれて出演予定となっている。発表にあわせて特設サイトが公開されている。

　シャニマスのゲームとしては「Landing Point編」に「シーズ」のプロデュースシナリオを追加予定など、各種情報を公開。また、TVアニメ「【推しの子】」とのコラボが開催中。「ルビー」が登場するコラボガシャ、「有馬かな」が登場するコラボガシャ、SSRサポートアイドルの「MEMちょ」が貰えるシナリオイベントも開催している。

　5thライブ「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.」Blu-rayの予約受付を開始。アソビストア特装版には特典として、2022年8月に開催された「シャニマス初の対バンライブ 283PRODUCTION UNIT LIVE SETSUNA BEAT」のシャッフルパートの映像が付くという。

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