アドビは6月14日、6月15日が「PDF(Portable Document Format)の日」として日本記念日協会に登録、制定されたと発表した。
1993年6月15日に正式発表されたファイルフォーマット「PDF」は、2023年6月15日に30周年を迎えた。アドビ デジタルメディア ビジネスマーケティング執行役員を務める竹嶋拓也は、「PDFは、ペーパーレスという観点からも、柔軟な働き方という観点からも、非常に評価いただいていると自負している。この記念すべき日を大切にし、これからもさまざまなイノベーションを起こし続けたい」と語った。
PDFは、アドビの共同創設者のジョン ワーノック氏が、「紙やフロッピーディスクなどの物理的メディアに制限されず、情報とアイデアを自由に、誰とでも、自分が思った通りのレイアウトでやり取りできないか」と考えたことがきっかけで、1991年に開発された。2年後にはPDFを閲覧、作成するソフト「Adobe Acrobat」を開発している。
アドビはその後、企業ドキュメントにおけるインフラ的な役割を果たすために2008年、PDFの主要規格を国際標準化機構(ISO)へ譲渡。一方Acrobatは現在、2015年に発表されたB2B向けのソリューション「Adobe Document Cloud」の主要サービスという位置づけで提供されている。
米Adobe デジタルメディア事業部 Document Cloud プロダクトマーケティングディレクターを務める山本晶子氏は、これまでの歴史を振り返りながら、「PDFは、ワールドワイドウェブ(WWW)が世の中に出た時に爆発的に伸長した。現在メールやウェブなどで使われているファイル数は数兆規模となり、各企業のネットワーク内で使われているであろう数なども加味すると、間違いなく世の中で使われている一番大きなファイルフォーマットといえる」と現状を説明した。
一方、「主要規格をISOへ譲渡したこことで、『どのツールでも同じ高度なPDFが作れるのでは』という質問をよくいただくが、残念ながらそうではない」と続ける。同社の調査によると、具体的には、60%が自動化に最適化されていない、92%がセキュリティ設定されておらず改ざんできる、90%がタグ付けされていない、といった状況があるようだ。
「PDFの特性を理解いただき、状況に応じて使い分けていただくべく啓蒙活動を続けていく。たくさん存在するPDFを再活用して、いかに効率的に働けるか、顧客や社員のエクスペリエンス体験を向上させられるか。どんどん新しいことにチャレンジをしていきたい」(山本氏)
また、アドビは同日、日本の女性ソロアーティストとして活動するシャンユーさんがPDF30周年を記念して制作したミュージックビデオ「People Dancing Future」を発表したことや、Twitterでクイズキャンペーン「#PDF検定」を開催することなども発表した。
PDF30周年記念ミュージックビデオ「People Dancing Future」
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