大画面の「MacBook Air」がついに登場した。新しい15インチのMacBook Airを初めて開いた時は、その大きさに驚かされた。実を言うと、筆者は「M2」を搭載した13インチMacBook Airを買ったばかりだ。米CNETが選ぶノートPCランキングで総合1位に輝いたモデルで、とても気に入っている。サクサク動く上にバッテリーの持ちも良く、何でもこなせる万能の1台だ。
筆者には、「MacBook Pro」ほどの高性能なPCは必要ない。そういう人は他にもいるだろう。MacBook Airに搭載されているM2は、一部のクリエイターが必要とする、きわめて専門性の高い処理を除けば、ほぼどのような用途にも対応できるApple製プロセッサーだ。このM2を搭載した15インチの大画面MacBook Airが今回初めて登場した。
薄く、軽く、しかもコストパフォーマンスの高いAirシリーズに大画面モデルが追加されたとなれば、興味をそそられないわけがない。少し金額を上乗せすれば、もっと大きな画面が手に入るーーこれはAppleが「iPhone」や「iPad」、そしてある程度「Apple Watch」でも展開してきた戦略だ。
新しい15インチのMacBook Airには、これまでと変わらない点もある。それはスペックだ。いくつかのマイナーな変更を除くと、今回の新モデルは2022年に出たM2搭載の13インチモデルと変わらない。15インチモデルに搭載されているM2のGPUはデフォルトで10コア構成だ。13インチモデルでは8コアか10コアかを選択する形だったので、この点は進化している。スピーカーも改善された(少なくとも数は増えた)。当然、画面は広くなり、画素数も増えた。
しかし、ディスプレイに使用されている技術自体は同じだ(美しいが、ProモデルのようなミニLEDではない)。構成もほぼ変わっていない。注目すべきは、本体サイズが大きくなったのにポートの数が増えていないことだ。ここが一番、残念だった点である。なまじサイズが大きくなったせいで、 Thunderbolt/USB4ポートが2つ、「MagSafe」充電ポートが1つ、ヘッドホンジャックが1つという構成が、これまで以上に貧弱に感じられる。せめて反対側にもう1つ、あるいは2つポートがあっても良かったのではないか。
価格は最小構成で1299ドル(日本では税込19万8800円)だ。13インチモデルの1099ドル(同16万4800円)と比べると200ドル(同3万4000円)高いが、予想通りの価格差だ。いずれにしても、MacBook Proの同等サイズのモデルと比べれば、MacBook Airは圧倒的に安い。もし筆者が大画面のMacBookを新しく買うなら、MacBook Airの15インチモデルが間違いなく最初の候補になるだろう。しかし、本格的な4K動画編集がしたい人やプロのグラフィックデザイナーなら、予算に余裕があればMacBook Proシリーズの方が投資価値を感じる可能性は高い。
このレビュー記事は15インチのMacBook Airについて書いた。広い画面は便利だし、所有欲も満たされる。しかし、13インチモデルを買ったことを後悔しているわけではない。
実際に使って見ると、15インチモデルは薄さを強く感じる。本体サイズは13インチのMacBook Airよりも大きいのに、厚みはほとんど変わらないからだ。むしろ、そのせいでディスプレイの大きさが際立つ。膝の上に乗せると、かなりの存在感だ。横幅がこれほど広いMacBook Airにまだ慣れない。
16インチのMacBook Proを使っている人なら気にならないかもしれないが、膝に乗せて使っていると、いかにも大きなラップトップを使っているという感覚になる。しかしファンレス設計のおかげで静音性は高く、基本的に熱も持たない。今のところは13インチモデルと同じくらい静かだ。排熱の心配をしたり、膝が熱くなって慌てたりする必要もないのは非常に良い。
M2搭載の13インチモデルにあったディスプレイ上部のノッチは、新モデルでも健在だが、見慣れてしまったので問題ない。メニューバーがノッチとかぶらないように配置されるため、違和感もそれほどない。iPhoneと違って、MacBook AirにはFace IDカメラがないことなどを考えると、ノッチはもう少し小さくても良かったと思うが、許容範囲だ。
スピーカーは内蔵され、外からは見えない。キーボードの両脇にスピーカーが配置されるタイプと違い、キーボードの回りに多くのスペースがある。下部には他モデルに引けを取らない、良い意味で巨大なトラックパッドが配置されている。
キーボードにはAppleの生体認証機能「Touch ID」が搭載され、ポート類(MagSafe充電ポート、2つのThunderboltポート)は本体の左サイドに集約されている。ヘッドホンジャックは本体の右サイドにある。問題は、ポートがとにかく少ないことだ。15インチのノートPCなら、少なくともあと1つは欲しい。これほど少ないのは不合理にすら感じる。せめてオプションでポート数を増やせるようにしてほしい。
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