Appleの主要サプライヤーで「iPhone」などの製品を生産する鴻海科技集団(Foxconn)は、消費者の関心が高まっている電気自動車(EV)事業を強化中だ。
EVの販売台数は2023年に前年比で35%増加すると予想されている。また米国では、新しい厳格な排出基準が提案されており、この基準が採用されれば、新車販売に占めるEVの割合は2032年までに10倍近く増える可能性がある。
Foxconnは4月、自動運転可能な電動トラクターを手がける米新興企業Monarch Tractorとの提携の一環として、「ドライバーなしでも走行できる」電動スマートトラクター5台をオハイオ州の工場で完成させたと発表した。また現地時間5月11日に発表した第1四半期決算では、自律走行型農業用トラクターの生産が「順調に始まった」として、2024年には他の車種も生産できるよう準備を進めていることを明らかにした。
「目標は、次の潜在的な大手自動車メーカーを探し、より革新的かつ効率的な工程で車両を製造するとともに、最も競争力のある生産モデルを顧客に提供することで、エレクトロモビリティーへの流れを加速させることだ」(Foxconn)
EVにおけるFoxconnの目標は、唐突に設定されたわけではない。同社は2020年10月、事業の多角化とEV市場への参入を目指すと発表していた。2021年10月には3種類のEV(高級セダン「Model E」、SUV「Model C」、電動バス「Model T」)のプロトタイプを発表した。
その後、2021年末に米EVメーカーLordstown Motorsの製造工場を買収して、同社の電動ピックアップトラック「Endurance」の生産を支援する計画を発表した。さらに2022年半ばには、同じく米EVメーカーFiskerの電動SUV「PEAR」の製造でも提携し、自社のポートフォリオにピックアップトラック「Model V」のプロトタイプを加えた。
2023年1月にはNVIDIAとの提携を発表し、自動運転車向けシステムオンチップ(SoC)「NVIDIA DRIVE Orin」と「NVIDIA DRIVE Hyperion」センサー群を、自社で製造する将来のEVのラインアップに採用する計画を発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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