国際エネルギー機関(IEA)が新たに公開したレポートによると、2023年に世界で販売される自動車の20%近くは電気自動車(EV)になる見込みであり、これは前年比35%増に相当するという。
米国時間4月26日に公開されたこのレポート「Global EV Outlook 2023」(2023年EVの世界展望)では、2023年におけるEVの販売台数が同年末までに2022年の1000万台を大きく上回る1400万台に達すると予想されている。
IEAの事務局長であるFatih Birol氏は声明で、「EVは、急速に台頭してきている新たな世界的エネルギー経済の原動力の1つとなっており、世界中の自動車製造業界に歴史的な変革をもたらしている」と述べた。
このトレンドは、世界のエネルギー需要が2030年までに、原油量にして少なくとも1日あたり500万バレル減少することを示唆しているとBirol氏は付け加えた。また同氏は「EVカーは第一波でしかない」と述べ、「EVバスやEVトラックもすぐ後に続くだろう」と続けた。
世界の自動車市場におけるEVの販売比率を見ると、2022年は14%と2020年の4%から大きく躍進している。IEAの予想によると、この数値は2023年末までに18%に跳ね上がる見込みだという。
国別での販売を見ると、中国がトップを独走している。同レポートによると、2022年に世界で販売されたEVの60%は中国国内で販売され、現在ゼロエミッション車の半数以上が中国国内を走行しているという。欧州と米国がそれぞれ2位と3位につけている。
IEAは、2030年までにこれら3つの市場におけるEVの販売台数が、全自動車販売台数の約60%を占めるようになると予想している。
また同機関は、Biden米政権下でInflation Reduction Act(インフレ抑制法)に盛り込まれた税制優遇と充電スタンドのインフラ整備といった政府のプログラムとともに、今後数年で小型EVの価格がエンジン車に匹敵するほどまでに下がる点を指摘した。
同レポートは、2輪車および3輪車が普及している東南アジア市場におけるEVの成長についても楽観視している。タイのEVシェアは2022年に3%と倍増し、インドとインドネシアのシェアは1.5%と3倍になったという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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