「iPhone 14 Pro」7カ月後レビュー--「iOS 16」の真価を最も引き出せるモデル

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年05月08日 07時30分

 Appleが例年、「iPhone」の新モデルを発表する時期まであと半年を切った。2022年9月には「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」が発表された。iPhoneの頂点に輝く、この2つのモデルは、注目の新機能「Dynamic Island」、アップデートされたカメラ、最新の「A16 Bionic」プロセッサー、そして新色のディープパープルなど、いくつもの魅力を備えていた。

iPhone 14 Pro Max
提供:John Kim/CNET

 2つのProモデルと同時に通常版、いわゆる無印「iPhone 14」、そして「iPhone 13 Mini」の廃止と入れ違いに登場した「iPhone 14 Plus」も発売された。今回の記事で取り上げるのはiPhone 14のProモデルの方だ。AppleはiPhone 14シリーズから、ProモデルとProモデル以外をこれまでになく明確に区別するようになった。iPhone 14の通常版は、実質的にはiPhone 13であり、これにハードウェア面の改良を少し加えたものとなっている。

 iPhone 14シリーズの発売からすでに7カ月がたったが、その間に多くの変化があった。まず、Appleが9月にチラ見せした「iOS 16」の主要機能がほぼ出そろった。「Apple Pay Later」(Apple Payで後払い)、「ライブアクティビティ」、衛星経由の緊急SOSなどだ。Googleとサムスンからも、iPhone 14 Proのライバルとなる「Pixel 7 Pro」と「Galaxy S23 Ultra」が登場した。無印iPhone 14とiPhone 14 Plusには新色「イエロー」が投入された。

iOS 16とiPhone 14 Proの強力タッグ

 筆者はiPhone 14 Proにおおむね満足している。どれくらい満足しているかというと、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏がムンバイでのインド初のApple Storeの開店イベントで、ビンテージの「Macintosh SE」を手にしたファンを見た時と同じくらいだ。発売以降、iPhone 14 Proに起きた最大の変化と言えば、iOS 16へのアップデートだろう。この最新OSはiPhone 14シリーズの魅力の要だ。iOS 16はもっと古い世代のiPhoneでも動くが、その真価を最も引き出せるのはiPhone 14 Proであり、常時表示ディスプレイ、ロック画面、Dynamic Islandといった新機能のシームレスな連携を体験できる。

 12月からは、常時表示ディスプレイを有効にしたまま、壁紙だけをオフにし、真っ黒な画面を表示できるようになったことにより、利便性が大いに高まった。筆者はこれまでもDynamic Islandを便利に使ってきたが、最近ライブアクティビティに対応したことで、ますます直感的な操作が可能になった。ライブアクティビティは、アプリが提供するリアルタイム情報(バスケの試合の点数やUberのステータス情報など)を、ロック画面や常時表示ディスプレイ、Dynamic Islandに表示できる、しゃれたウィジェットだ。

 簡単に言うと、Dynamic IslandはユーザーがiPhoneで何をしていようと、常に画面上にショートカットを用意してくれる機能だ。例えばiPhoneのロック画面やDynamic Islandをちらっと見るだけで、Uberで呼んだ車が現在どこを走っているのか分かるのは便利だ。

iPhoneのホーム画面
Dynamic Islandには小さなアイコンとアニメーションが表示される
提供:Celso Bulgatti/CNET

 今後はDynamic Islandにカスタマイズ機能などが追加されることを期待したい。Appleは2016年に、「iOS 10」版の「iMessage」で利用できるステッカー(スタンプ)やゲームを専用のアプリストアで購入できるようにした。Dynamic Island専用のアプリストアはいらないかもしれないが、「ミー文字」のステッカーをDynamic Islandのアイコンとしてピン留めできる機能などがあれば、もっとパーソナルな感覚を楽しめるかもしれない。しかし、Dynamic Islandを本格的に普及させたいなら、次期iPhoneではProモデルだけでなく、Pro以外のモデルでもDynamic Islandを利用できるようにする必要がある。そうすれば対応アプリは増え、新機能が開発される動機にもなるはずだ。幸い、次期「iPhone 15」ではすべてのモデルにDynamic Islandが搭載されるといううわさがある。

 しかし、iPhone 14 ProとiOS 16にバグがないわけではない。ジェットコースターに乗っている時やスキーの最中に「衝突事故検出」機能が誤作動するという話ではない(事実ではあるが)。また、多少のバグがあったとはいえ、衝突事故検出が重要な追加機能であることも間違いない。この機能がiPhone 14の全モデルに搭載されたことで、すでに何人もの命が救われている

 この7カ月間に、筆者はiPhone 14 Proが1、2秒フリーズする現象を何度か経験した。画面をいくらタップしても何の反応もない。Appleのサポートコミュニティを見ると、この現象を経験している人は他にもいるようだ。もっとも、通常は再起動すればもとに戻る。頻度も低く、現在は解消されたように見えることも言い添えておく。もしかしたら、iOSのアップデートで対応されたのかもしれない。

 「天気」アプリのバグで、都市名だけが表示され、予報の部分は何も表示されない状況も何度が経験した。2023年に入ってからは、何年も愛用してきた「Dark Sky」アプリが終了したため、これには悩まされた。この問題はその後、修正されたようだ。

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