伊藤園は4月24日、日本電気(NEC)が開発した「顔認証決済サービス」を導入した自動販売機を5月中旬から展開すると発表した。
スマートフォンを用いて事前に顔画像、クレジットカード情報、認証パスコードなどを登録することで、自動販売機のカメラを利用した顔認証決済が可能となる。
伊藤園はこれまで、健康に配慮した製品を充実させた「ウェルネス自販機」やさまざまなキャッシュレス決済に対応した自販機など、ロケーションやニーズに対応した自動販売機をラインアップ。今回の同サービスの導入を通じて、自動販売機によるDXの取組みを強化し、利便性をより一層高める。
同社によると昨今、利便性や衛生面に優れたキャッシュレス決済は堅調に増加。2022年のキャッシュレス決済比率が過去最高を更新する36.0%(2022年比+3.5ポイント)になるなど、購買活動における「現金を使わずに支払いを済ませる方法」の多様性は大きく広がっている。
一方、顔認証技術は、利便性の高さと認証精度の向上により、オフィスや工場の入退室管理、PCやスマートフォンの端末ログインなどにおける活用が急速に拡大しているという。
そこで同社は、NECが開発した顔認証決済サービスを導入した自動販売機について、同サービスと親和性が高いと考えられるオフィス、工場、病院などのロケーションにおいて、同サービスを導入した自動販売機の展開を決定した。
NECの顔認証決済サービスでは、同社の生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」の中核技術である顔認証技術を、自動販売機の決済に活用できる。
NECは飲料企業などに対して、顔認証決済を行うためのクラウドサービスと、顔認証決済アプリを搭載したタブレット端末を提供する。新設自動販売機への取り付けだけでなく、既存自動販売機への後付けも可能だという。
同サービスの導入により、例えば物品の持ち込み制限のため現金やキャッシュレス決済を利用できず、自動販売機の設置が困難な場所への新規設置などが可能になる。なお、2023年度中に同サービスは強化する予定で、生体認証と複数のソリューションをつないでIDを連携する「Bio-IDiom Services ID連携」と接続可能になるという。
これにより、施設の入退場、PCのログイン、マンションのエントランス、ホテルのチェックインなど、既にさまざまなシーンで顔認証を導入している場所において、追加登録なく同じIDで顔認証による自動販売機を決済できるとしている。
NECは、同サービスを飲料企業などに提供し、今後5年間で5000台の自販機への導入を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス