Appleが間もなく発表するという拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセットや、それが初代「iPhone」発表以来の「新たな画期的製品」になる可能性をめぐって、多くの情報が飛び交っている。しかし、モバイル技術の将来は思ったよりもわれわれの手が届きやすいところにあり、ハンドプロジェクションという形で訪れるのかもしれない。
テクノロジー好きであればHumaneという名前の秘密主義的な新興企業について聞き及んでいることだろう。ここ数年間、ミッションステートメントや宣伝文句を少しずつ公表しており、それが「われわれの生活におけるテクノロジーの役割を再構築」するコンシューマー製品を示すヒントとなっている。同社は米国時間4月20日、TED Talksにおいて製品を披露したが、明らかになった情報はわずかで、注目した人もごく一部だろう。
ライブカンファレンスにおいてHumane創設者のImran Chaudhri氏はシャツのポケットに入るサイズのプロジェクターを紹介した。ジャーナリストのZarif Ali氏の録画から分かるとおり、そのプロジェクターは、Chaundri氏のポケットから少しだけ頭が出ている。このデバイスは普通のスマートフォンよりも小型で、手のひらやテーブルなど、どのような表面にも映像を投影できるカメラとセンサーをデバイス上部に備えている(マサチューセッツ工科大学が以前開発したウェアラブルデバイス「SixthSense」を思い出す人もいるだろう)。
First demo of the @Humane upcoming AI-powered wearable device. A phone call.
— Ben Geskin (@BenGeskin) April 21, 2023
Thanks @ZarifAli9 for sharing! pic.twitter.com/7qyDScPkOh
Chaudhri氏の手のひらにプロジェクターによる映像が映し出され、同氏は音声入力とジェスチャーを使って、着信した電話に対応した。テクノロジーと人間のやり取りがシームレスに融合し、日々のスケジュールチェック、地図の経路案内の確認、料理に役立つ映像情報や車のエンジンを修理している時などに応用できると、Humaneが提出した特許書類には記載されている。このリストにはほかにも用途が記されている。
同氏はまた、人工知能(AI)生成音声を使って、声のトーンや音質を保ったまま英語からフランス語に変換するウェアラブルな音声通訳のデモも行ったと、削除される前に録画のTED Talksを視聴したデザイナーのMichael Mofina氏は報じている。
Humaneが一番関心を引き付ける点は、同プロジェクターを開発する面々だ。Chaudhri氏はAppleの「Mac」「iPod」「iPhone」といった主力製品の元デザイン責任者であり、Bethany Bongiorno氏も同社で「iOS」や「macOS」などのソフトウェア開発を率いた人物だ。TechCrunchが報じたところによると、HumaneはOpenAIの最高経営責任者(CEO)Sam Altman氏、SalesforceのCEOであるMarc Benioff氏のほか、Microsoftなどから2億3000万ドル(約310億円)の資金を調達したという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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