世界PC市場、第1四半期は出荷台数29%減でパンデミック前の傾向に--今後の回復は景気次第

 IDCは、世界PC市場に関する調査結果の速報値を発表した。2023年第1四半期の出荷台数は5690万台で、前年同期の8020万台に比べ29.0%もの減少となった。

 出荷台数の大幅な減少について、IDCは、弱い需要、過剰な在庫、悪化中のマクロ経済状況という要因が重なった影響だとした。また、COVID-19パンデミックでPC需要が高まった期間は終わりを迎え、出荷台数が減少傾向だったパンデミック前の状況に戻ったとみる。ちなみに、2018年第1四半期は6060万台、2019年第1四半期は5920万台で、今期はさらに少なくなった。

 2023年第1四半期における出荷台数の上位5ベンダーなどは以下のとおり。括弧内は、いずれも前年同期の数値と前年同期比。

1位:Lenovo

 出荷台数:1270万台(1830万台、-30.3%)

 市場シェア:22.4%(22.8%)

2位:HP

 出荷台数:1200万台(1580万台、-24.2%)

 市場シェア:21.1%(19.7%)

3位:Dell Technologies

 出荷台数:950万台(1370万台、-31.0%)

 市場シェア:16.7%(17.1%)

4位:Apple

 出荷台数:410万台(690万台、-40.5%)

 市場シェア:7.2%(8.6%)

5位:ASUS

 出荷台数:390万台(560万台、-30.3%)

 市場シェア:6.8%(6.9%)

その他

 出荷台数:1470万台(1990万台、-26.0%)

 市場シェア:25.9%(24.8%)

合計

 出荷台数:5690万台(8020万台、-29.0%)

 
第1四半期の出荷台数(出典:IDCの公表データをグラフ化)
第1四半期の出荷台数(出典:IDCの公表データをグラフ化)
第1四半期の出荷台数ベース市場シェア(出典:IDCの公表データをグラフ化)
第1四半期の出荷台数ベース市場シェア(出典:IDCの公表データをグラフ化)

 今後の状況については、2024年になると現在使われている型落ちPCの更新が始まると見込む。経済が上向きになれば、消費者は家庭用PCの買い換えを、学校は使いにくくなったChromebookの刷新を、企業はWindows 11への移行を考えるようになり、出荷台数が一転して増加傾向になるだろう。ただし、景気低迷が2024年まで長引くと、市場回復の足取りは重くなる。

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