パナソニック、ナノイー技術による新型コロナウイルス抑制効果--不活化メカニズムの一部を解明

 パナソニックは2月22日、ナノイー(帯電微粒子水)技術による新型コロナウイルス不活性化メカニズムの一部を解明したと発表した。ウイルスをバラバラにすることで、細胞への結合能力を失い、感染が抑制されるという。

 パナソニックでは、1997年にナノイーの研究を開始。水に臭気成分を溶かす性質があることに着目し、これを空気浄化に応用できないかと考えたのが研究の原点になっている。ナノイーは、高反応成分「OHラジカル」を含んだ水でできた粒子。脱臭、菌、ウイルス、アレル物質抑制などに作用するほか、サイズが約5〜20nmと小さく、繊維の奥まで入り込めるなどの特徴を持つ。

ナノイーとは
ナノイーとは

 パナソニック くらしアプライアンス社副社長技術担当、くらしプロダクトイノベーション本部長の宮下充弘氏は「パナソニックでは2009年以降、新型インフルエンザの抑制などに対するナノイーの効果検証を実施。特にウイルスについて検証を重ね、2012年には今後も新型ウイルスが発現する可能性があるため、すべてのウイルスへの効果を推定するためにウイルスクリアランス試験を実施している」と長年の取り組みを説明した。

 ウイルスクリアランス試験は、ガイドラインに基づいて選んだ4種のウイルスに対し、ナノイーを曝露した場合と曝露しない場合とで比較するもの。宮下氏は「4つのウイルスに対し、99%以上の抑制効果を確認できた」とウイルスへの効果を実証する

 2020年からは新型コロナウイルス抑制の効果実証に取り組み、2021年には新型コロナウイルス懸念される変異株4種の抑制、2022年には大空間(24立方メートル)における新型コロナウイルスの抑制も実証するなど、社会不安に応じた効果実証を実施してきた。

社会不安に応じて効果実証
社会不安に応じて効果実証

 今回一部が解明された新型コロナウイルス不活化メカニズムは、大阪公立大学 大学院獣医学研究科准教授の安木真世氏との共同研究により明らかになったもの。ナノイーの曝露有無によるウイルスの構成成分ごとの影響や、細胞へのウイルスの結合量を測定したところ、ウイルスを構築する脂質二重膜やタンパク質、ゲノムRNAと多段階で作用する様子が確認されたという。

抑制されたオミクロン株の細胞への感染見える化
抑制されたオミクロン株の細胞への感染見える化

 安木氏は「ナノイーは、ウイルスの特定の分子や構造を標的とするのではなく、ウイルスを構築する脂質二重膜やタンパク質、ゲノムRNAと多段階で作用し、ウイルスに損傷を与える。ナノイーの曝露により傷害を受けたウイルスは、宿主細胞の受容体への結合能力が失われて感染性を失う」と新型コロナウイルスがバラバラになり、細胞に入っていかず、感染できないということを明らかにした。

左から、大阪公立大学 大学院獣医学研究科准教授の安木真世氏とパナソニック くらしアプライアンス社副社長技術担当、くらしプロダクトイノベーション本部長の宮下充弘氏
左から、大阪公立大学 大学院獣医学研究科准教授の安木真世氏とパナソニック くらしアプライアンス社副社長技術担当、くらしプロダクトイノベーション本部長の宮下充弘氏

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