そして、これらの大きなファイルをすべてスマートフォンに保存できるようにするため、Galaxy S23 Ultraの基本ストレージは、「Galaxy S22 Ultra」の128GBから256GBに拡張された。エントリーレベルモデルのストレージを増量する決定も、写真および動画撮影が好きなユーザーの関心を引くための方策とみなすことができる。高解像度の写真やRAWファイル、8K動画を保存するには、多くの容量が必要だからだ。Galaxy S23+の基本ストレージも256GBだが、Galaxy S23 Ultraと異なり、Galaxy S23+では1TBのストレージオプションは提供されていない。このことは、最初のUltraスマートフォン「Galaxy S20 Ultra」を発売して以来、サムスンが長足の進歩を遂げてきたことを示している。Galaxy S20 Ultraのストレージは、基本モデルが無印のGalaxy S23と同じ128GBで、最も大容量のモデルでも512GBだった。
Appleも、iPhoneの強力な写真撮影性能を誇示することがお決まりになっている。それがサムスンの考え方の一部に影響を及ぼしてきた可能性もあると言えるかもしれない。そうしたアプローチは、Appleが2022年9月にiPhone 14 Proを発表したときに明白になった。iPhone 14 Proでは、光学式手ぶれ補正と暗所での撮影性能が強化されている。サムスンと同様、Appleも解像度を飛躍的に向上させ、iPhone 14 Proのカメラを1200万画素から4800万画素に引き上げたが、暗所での撮影性能に実際に大きな違いをもたらしているのは、メインセンサーの大型化だ。また、RAW写真を撮影し、なおかつAppleの画像処理アルゴリズムの一部も組み込む同社独自の機能である「ProRAW」を使って、4800万画素の解像度で撮影することが可能になった。
サムスンの場合と同じように、iPhone 14 Pro、大型モデルのiPhone 14 Pro Maxと、より低価格の「iPhone 14」「iPhone 14 Plus」を差別化する大きな要素は、カメラだ。iPhone 14 ProおよびiPhone 14 Pro Maxと違って、iPhone 14およびiPhone 14 Plusには望遠レンズが搭載されておらず、メインカメラセンサーの解像度も1200万画素である。さらに、1TBモデルも用意されていない。
カメラはAppleのProシリーズとサムスンのUltraシリーズの最も明確な特徴かもしれないが、これらのスマートフォンの共通点は他にもある。どちらのスマートフォンも、それぞれのシリーズの下位モデルよりも多くの生産性向上機能を備えている。無印のGalaxy S23やGalaxy S23+と違って、Galaxy S23 Ultraにはスタイラスが付属しており、本体の底部に差し込んで収納することができる。iPhone 14 Proには、「Dynamic Island」が搭載されている。これは、前面カメラの周りに組み込まれた独創的なソフトウェアインターフェースで、システムアラートを表示したり、使用中のアプリを離れることなくバックグラウンドのアクティビティーを制御したりできる。この機能は、無印のiPhone 14やiPhone 14 Plusでは利用できない。
画面に関しては、どちらのスマートフォンも下位モデルより多くを提供する。サムスンの場合、それは文字通りのことを意味しており、Galaxy S23 Ultraの画面サイズは6.8インチで、Galaxy S23(6.1インチ)やGalaxy S23+(6.6インチ)のディスプレイよりも物理的に大きい。Appleの場合、iPhone 14のラインアップ全体でディスプレイのサイズは2種類(6.1インチか6.7インチ)だけだが、別の方法でProモデルの画面の差別化を図っている。具体的には、Proモデルだけが、常時オンのディスプレイ、Dynamic Island、より滑らかなスクロールとグラフィックを実現する可変式リフレッシュレートを備えている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力