人間の質問に対して自然な言語で回答する「ChatGPT」。OpenAIが手掛ける同プログラムについては最近、その大きな可能性がしきりと取り沙汰されている。
同時に、明らかな間違いを含む論文が発表されかねないなど、ChatGPTの問題点についても多くの指摘がなされている。「Nature」は、同プログラムが「科学論文の内容と完全性に責任を負えないため」学術論文の著者としての基準を満たさないと報告している。
またChatGPTにはもう1つ、より微妙な問題点があることに、学術界の一部が気付きつつある。それは、たとえ内容が不正確でなくても、生成される結果が平凡であまりに一般的な、情報の乏しいものになる傾向がみられることだ。
科学系出版大手Cell Pressの学術誌「Stem Cell Reports」の編集者Barbara Treutlein氏とPatrick Cahan氏は、同誌の論説の執筆にChatGPTを利用してみた結果、そのことを発見した。論説は1月10日付で掲載された。
2人の編集者は、計算システム生物学の分野に関するさまざまな基本的質問をChatGPTに投げかけた。その目的は「計算の進化が(中略)時間の節約につながり、ひいてはより多くの研究を可能にすることで、幅広い幹細胞研究に取り組む研究者にいかに役立つか」を実証することにあった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」