「アイドルマスター ミリオンライブ!」9thライブで見た“みんな仲間と感じるステージ” - (page 3)

 ソロ曲は新たな一面を見せたと感じられるものが多く、さらにリミックスバージョンも用意されているという、これまでとは一味違う感覚で楽しめるものとなっていた。そしてその“これまで”があるのは、積み重ねてあってこそのもの。振り返れば4thライブは、活動を通じて成長したなかでも当時の集大成的な位置づけであり、「ミリシタ」の発表という新たな飛躍が感じられるものだった。これを考えれば、今回の9thライブもまた、一団と成長した姿を見せたものであり、この先にあるTVアニメ放送や10thライブツアーを通じての飛躍も感じられるものでもあった。

 また余談ではあるが、筆者のお気に入りのアイドルは木下ひなたということを“踏まえなければ”「きまぐれユモレスク」の破壊力の高さは想像以上のものがあったというのが、率直な感想としてある。改めて、ひなたがお気に入りと踏まえてみて印象的なところは多々あり、まず5周年記念イラストのひなたがプラウド・オブ・ステージの衣装とともにベレー帽をかぶっててお似合いと感じていたところで、田村さんも再現された衣装とベレー帽をかぶって登場したときに同じような感想を持ったこととか、衣装紹介でさりげなく胸に手をあててひなたと同じポーズを決めていたこととか、ひなたにベレー帽を言えば「ミリシタ」での衣装「グレイトフル・ブルー」でもベレー帽を被っているのでおすすめだとか、田村さんがMCのなかでライブが久々(※前回の8thライブに出演していなかったため、ミリオンライブ!のライブ出演は、2021年5月の7thライブ以来)で、公式パンフレットにソワソワしていることを書いたと触れていたが、実際にひとつの設問に対して回答に「ソワソワ」という言葉が4回も出ているぐらいにソワソワされていると事前に思っていたが、実際のステージでは終始楽しそうな表情でそんなところは微塵も感じなかったこととか、そのパンフレットにはセカンドヘアスタイルガシャについて触れているところもあるのだが、それに該当する「私、召喚♪ 木下ひなた」では小悪魔キャラを演じるひなたのコミュがあり、髪型や衣装、イラストとともにきゃぴきゃぴしたひなたの姿は新境地で必見だとか、それにあわせてミリシタ公式Twitterに投稿された4コマまんがの3コマ目のインパクトが大きいとか、話が逸れたのでライブに戻すと、5人歌った「Growing Storm!(ChoruSp@rkle!! MIX)」では、田村さんが前半ステージ上段の一番高いところにひとり立ってパフォーマンスをしており、そこで頼もしいひなたの姿を感じたこととか、歌詞も“自然体”“成長中”なひなたに通じるところを感じたとか、終盤に参加した「LEADER!!(ChoruSp@rkle!! MIX)」では765PRO ALLSTARSの楽曲を歌っていることに感慨深さを感じた……といったことがまずある。

「Growing Storm!(ChoruSp@rkle!! MIX)」(DAY2)
「Growing Storm!(ChoruSp@rkle!! MIX)」(DAY2)

 ほかにも印象的だったこととして、まず挙げておきたいのはCLEVER CLOVERのメンバーとして参加した「Shamrock Vivace」。「ミリシタ」において、オリジナル歌唱メンバーで配置する自動編成ではひなたがセンターに立っており、その姿は「アイドルマスターチャンネル」にある同曲のMVとしても見ることができ、ビッグバンドサウンドという豪華さと強気さがイメージされる歌詞をひなたも歌うという、今までにない魅力を感じられるもの。オンラインイベントでは披露されたことがある楽曲だが、田村さんは出演していなかったため、初めて歌う場となった。ステージでも前列に立って軽快にステップを踏みながら歌う姿が印象的で、最後の決めポーズも様になっていた。

「Shamrock Vivace」(DAY2)
「Shamrock Vivace」(DAY2)

 何より触れておきたいところは「ハッピーマイガーデン」だ。ひなた4つ目のソロ曲で、これまでのソロ曲は比較的落ち着いたテンポだったところから、今回はかなりアップテンポな楽曲。“頑張る姿を届ける”という気持ちを描いた曲で、カントリー風ワルツと思われるサウンドにのせて、田村さんがダンサーとともにパフォーマンスを行った。

 スクリーンにはりんごが映し出され、ステージのライトや電飾もりんごやひなたのイメージカラーである赤や、自然や農園を示すような緑を織り交ぜる演出もあるなか、軽やかなステップと振り付け、伸びのある声で歌い進めていく。場内も壮観で、赤に染まりつつところどころに緑のコンサートライトが振られているのも、どこかりんご園を感じさせるもの。

 曲調もあると思われるが、とにかく伸び伸びと、本当に楽しそうに歌っている姿が心に残った。それは優しく柔らかいだけではなく、“遠くの空”にも届きそうな伸びのある歌声で実感でき、だからこそひなたとしての気持ちが伝わるものに。また“産地直送”で、手をパッと開いて前に差し出すようにお届けする振り付けも目を引くところであり、最後はりんごをかじって笑顔を見せるという振り付けも、「りんごのマーチ」でりんごをかじるような振り付けがあったことを思い起こさせるもので、同じ武道館の4thライブで披露されていたことも感慨深いところ。

 このステージは、ひなたの公演があったならば感じるであろう“癒される”“心があたたかくなる”“元気をもらう”“笑顔の印象が残る”といったものを田村さんが体現したと思えるもの。「ミリシタ」のメインストリーでも、謙遜だけではなく胸を張ってステージに立つ決意を示すシーンもあるのだが、そんな成長した先にあるアイドル・木下ひなたの姿も感じられるものとなっていた。

 もうひとつ触れておきたいのは、最後の挨拶となるMCパート。実は香里さんのあとが田村さんの番で、前述のように香里さんがもっと仲間になれたことを語ったことを受けて、田村さんは香里さんの涙をもらった状態になりつつも、真っ先に「仲間でしょ」と声をかけたところだ。さも当然と言ったところに絆を感じつつ、そのときに「Welcome!!」のミックスナッツ歌唱バージョン(THE IDOLM@STER LIVE THE@TER HARMONY 08)で、ひなたの掛け声が「みんな仲間だよ」と言っていることも思い浮かび、グッとくるところでもあった。DAY2での中村さんと小笠原さんのコンサートライトのことも絆を感じるところでもあり、みんな仲間と感じられるステージとなっていた。また“みんな仲間”というのは、いろいろなタイミングから入ってきたプロデューサーさん、そしてTVアニメから入ってくるであろうプロデューサーさんへのメッセージにもなるのではと個人的に感じたところでもある。

 ちなみに、このMCで田村さんのふと言った言葉が、後にTwitterのハッシュタグ「#ミリオンライブは止まらねぇ」として現れたことは、MCにおいて飾らない素直な言葉で語る田村さんとしての魅力が現れたものであるのと同時に、この言葉は今のミリオンライブ!そのものであり、この先の意気込みを広く伝えるものと思えた次第だ。

 なお本公演の模様は、「ASOBISTAGE」でのアーカイブ配信を期間限定で実施。DAY1とDAY2ともに、視聴チケットの販売期間は1月23日12時まで、アーカイブ視聴期間は1月23日23時59分までを予定。価格は各6000円(税込)。詳細は特設サイト内配信情報にて記載されている。

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