エアバス、操縦不能パイロットに代わりダイバートを自動実行する「DragonFly」--試験開始

 Airbusの100%子会社Airbus UpNextは、航空機の自動ダイバート(目的地外着陸)や自動着陸、タキシング(地上走行)操縦支援といった機能「DragonFly」を試験開始した(その1その2)。

 DragonFlyは、航空機のパイロットが何らかの原因で操縦不能な状態に陥ったときに備え、緊急着陸などを自動的に処理する技術。トンボ(dragonfly)が持つ視覚および飛行の能力を参考に開発しており、周囲360度の状況を画像で捉えてランドマークなどを認識できる。

トンボのように周囲の状況を把握(出典:Airbus)
トンボのように周囲の状況を把握(出典:Airbus)

 飛行中にパイロットが操縦できなくなった場合は、近くの適切な飛行場に緊急着陸するダイバートを自動実行する。また、地上を低速で移動するタキシング時には、障害物を検知して警告したり、速度を制御したりするほか、飛行場のマップに応じて走行ルートを指示する。

ダイバートと着陸を自動実行し、タキシングを支援(出典:Airbus)
ダイバートと着陸を自動実行し、タキシングを支援(出典:Airbus)

 試験は、実際の航空機「Airbus A350-1000」を使い、3カ月間実施する予定。飛行中のパイロット支援、操縦不能時の模擬ダイバート、着陸およびタキシングの支援について、動作を検証する。

DragonFlyの紹介ビデオ(出典:Airbus/YouTube)


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