Metaにとっては幸先の悪い1年の始まりとなった。アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は現地時間1月4日、ユーザーの同意を得ることなくパーソナライズド広告を提供し、欧州のプライバシー法に違反したとして、Metaにさらなる制裁金を科した。
欧州においてMetaに対する管轄権を有するDPCは、同社に対する2件の調査を終了し、合計で3億9000万ユーロ(約550億円)の制裁金を科すことを発表した。同社はこの制裁金に加えて、欧州連合(EU)における広告事業に変更を求められることになる。
DPCによる今回の判断は、2018年に施行されたEUの包括的なプライバシー法である一般データ保護規則(GDPR)に基づく画期的な裁定で、EU全域でMetaが展開する「Facebook」と「Instagram」に制約を課す可能性がある。今回の裁定によると、同社はパーソナライズド広告を引き続き提供できるものの、それを目的にユーザーのデータを処理することについて、契約上の合意を得る必要がある。
Metaの広告モデルをめぐる問題は、弁護士でありプライバシー活動家でもあるMax Schrems氏が2018年にDPCに苦情を申し立てたことに端を発している。同氏は特に、パーソナライズド広告を許可または拒否する具体的な選択肢がユーザーに提示されず、パーソナライズド広告への同意がMetaの利用規約に含まれていたことに対して懸念を示していた。
Schrems氏は4日の声明で、DPCの裁定は、EUにおけるMetaの収益に大きな打撃を与えると述べた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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