11月、筆者は、Apple Parkで行われたデモで衛星経由の緊急SOSをテストする機会があった。使い方は簡単で、雨が降っていても衛星に接続できるのが印象的だった。実際、その後この機能によって、アラスカで遭難したスノーモービルの乗員1人と、山岳部で道路を外れて滑落した車に乗っていた2人が救出されている。
このような機能は重要で、iPhone 14とiPhone 14 Plusを確かに際立たせていると思う。だが、これをスマートフォンの必須機能として優先的に考える人がどのくらいいるかは分からない。発売から3カ月か経った今、きわめて明白になったことがある。無印のiPhone 14が狙っているのは、2021年のiPhone 13からではなく、「iPhone 11」またはそれ以前のiPhoneから買い換えるユーザー層だということだ。
Dynamic Islandの機能は優れているが、問題がないわけではい。例えば、Dynamic Islandの方が以前のノッチより大きく画面に割り込んでいるので、動画を視聴するときには気になってしまう。Apple以外のアプリがDynamic Islandをもっと活用するようになることも望んでいる。
また、Dynamic Islandについては、Appleが意図したような完全な体験がまだ実現していない。Dynamic Islandは、常時オンのディスプレイと「ライブアクティビティ」も合わせた三位一体の機能の一部だ。ライブアクティビティとは、バスケットボールチームの試合のスコアをリアルタイムでロック画面に表示するなど、特定のアクティビティの進行状況を追跡できる機能である。これを本格的に採用するアプリが現れて初めて、Dynamic Islandは真価を発揮するだろう。iOS 16.2がリリースされたので、それも遠いことではないはずだ。
iPhone 14シリーズは、全モデルとも、ディスプレイが「Ceramic Shield」で覆われている。にもかかわらず、筆者がテストした実機4台はすべて、前面のガラスにわずかな引っかき傷が付いている。筆者は特に気を付けて使ったわけではないが、かといって雑に扱ったわけでもない。ほぼ3カ月の使用で引っかき傷が付いてしまったことには、驚いている。
iPhone 14とiPhone 14 Plusのカメラも申し分ない。だが、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxのカメラは別格だ。iPhone 14とiPhone 14 Plusでは質の高い写真が撮れないかというと、もちろん、そんなことはない。しかし、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Max、その48メガピクセルのメインカメラで撮影した写真は、一貫して素晴らしいのだ。ただし、iPhone 14 Proのカメラの解像度をフルに活用するには「ProRaw」で撮影しなければならず、ファイルサイズがかなり大きくなる。ProRawの写真をJPEG画像に素早く変換して保存できる機能が内蔵されていてほしかったと思う。
筆者が驚いたのは、「シネマティックモード」だ。24fps(1秒あたりのフレーム数)または30fpsで4K動画を撮影でき、筆者は実際に、それを使って米CNETの動画を何本か撮影している。画質は良好で、シネマシティックモードの全体的な操作体験はiPhone 13のときよりずっと良くなった(これまで、シネマティックモードでは、30fpsの解像度が1080pまでに限られていた)。動画がより自然に見えるように筆者が使っている裏技は、シネマシティックモードの絞り値をf/8に設定することだ。こうすることで、被写体に焦点を当てたまま、背景をリアルにぼかすことができる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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