試用するにあたっては、手持ちのTUSAのダイブコンピュータ「IQ1204」も併せて使用した。比較すると、水温や深度についてはほぼ差がなかった。標準の「水深」アプリと同様に、Oceanic+はDiveTimeは秒単位で出てくるが、水温は26度など1度単位で表示される。
Oceanic+を使うにあたって、ダイビングをスタートする前に注意したいのは、必ず一つ操作が必要になることだ。
(1)潜る前に「アクションボタン」(アクションボタンの起動を設定している場合)を押す、(2)Apple Watchの「Oceanic+」アプリ画面から「Star SCUBA」をボタンを押す、(3)「水中にいるとき」のアクションをOceanic+に自動設定している場合、入水して1m以上潜ると自動的に表示――のいずれかで、「I'm Fit and Ready to Dive(ダイビングの準備はできている)」「Press Action Button to Select」という指示が表示されるので、アクションボタンを押す。このボタンを押さなければ、安全面からダイビングモードにならないので注意が必要だ。
使ってみた一番の印象は、とにかく見やすいということだ。天候のよくない日や深場でも見やすく安心感がある。また、操作のしやすさもApple Watchならではだと感じた。
一般的なダイブコンピューターは、操作するボタンが限られるため、「長押しして~」など、操作が複雑になりがちだ。Apple Watch Ultraならさまざまな操作をタッチで操作ができるので(水中ではタッチ操作はできないが)、たとえばNitroxの酸素比率の設定もメニューから選んでいけば簡単に設定できて便利だと感じた。
なお、Apple Watch Ultraは、「Slow」(速度の警告)や「SAFETY STOP」(安全停止)といったアラートは、音は鳴らず振動と画面表示のみになる。
安全停止は、5.9m以内の安全停止ゾーンに入ると画面にアラートが表示され、3分間のカウントダウンが始まる。その間ずっと振動が続くので、今回は6.5mmのウエットスーツを着用して試したが、それよりも厚みがあるスーツであっても気がつかないことはなさそうだと感じた。また、6m以降に戻った場合はカウントが一時中断し、また5.9m以内に戻ったときに再度カウントがスタートする。
一方で、Slowの警告の場合は、表示が一瞬ということもあり気がつかず、サブで使用していたダイブコンピューターの警告音で気付くといった状況だった。
iPhone版のOceanic+アプリでは「No Deco Planner」「Location Planner」といったプランモードを設定・確認できるほか、ログブックの確認ができる。
ダイビングが終わって、スマートフォンを見るとログが連携されている。GPSで潜った場所が地図上に表示される。今回はドリフトダイビングをしなかったので、インとアウトが同じ場所になっているが、ドリフトダイビングをした場合はどんな移動だったかが分かるので便利だ。
ログは、入水の時間とトータルのダイブタイムは表示されるが、上がったときの時間は表示されない。また、タンク容量やダイビング前と後の残圧を入れるところはなく、フリーの「Notes」エリアにしか記録するようになっている。スーツや機材などの装備も「GEAR LIST」から選べるのはOcenicに関連する企業の装備ばかりなので、Notesエリアに記すしかなさそうだ。
できるなら、タンクの容量や残圧などを入れることでSACレートまでを計算してくれると、自分の日頃のエア消費量やどんなダイビングだったかを知る指標にもなる。今後はそうしたアップデートに期待したい。
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