「Apple Watch Ultra」レビュー【後編】--アップルはダイビング業界に変革をもたらすか

 これまでのApple Watchと一線を画す、もっとも屈強な「Apple Watch Ultra」が登場した。特に、これまでスキューバダイビングや登山といったシーンでデバイスを使い分けてきた人には朗報だ。そうしたシーンからヘルスケア、日常生活まで、このApple Watch Ultra一台でカバーできるかもしれない。

 前編では、日常生活や山で使用した印象などをレポートした。今回は、ダイバー視点でスキューバダイビングの使用感をお届けする。

スキューバダイビングでも使えるようになったApple Watch Ultra
スキューバダイビングでも使えるようになったApple Watch Ultra

 Apple Watch Ultraが発表されたとき、興味を持ったダイバーは多かったのではないだろうか。国際的に認められたダイビングアクセサリの規格「EN13319準拠」を兼ね備え、今後リリースされる「Oceanic+アプリケーション」によってダイバーに必須のダイブコンピュータとして使えるようになるからだ。

 実際、海ではApple Watch Ultraを着けていると、見知らぬ人から「新しいApple Watchですか?」と声をかけられることもあった。Oceanic+アプリケーションの公開前のため、まずは標準で搭載されている「水深」アプリを使い、実際にダイビングで使ったインプレッションをお伝えしたい。

フィット感がいい「オーシャンバンド」

 Apple Watch Ultraでは、ウォータースポーツ向けの「オーシャンバンド」ほか、耐久レースのアスリートやランナー向けの薄い「トレイルループ」、探検家向けに作られたG字フックファスナーでしっかりと固定できる「アルパインループ」の3つの新しいバンドが用意されている。いずれも価格は1万4800円(税込)。

 オーシャンバンドは、バンドは手首が130-200mmの場合にフィットする。チューブ状の高性能エラストマーで作られており、ウェットスーツの上からでもフィットするのが特長だ。

ウォータースポーツ向けの「オーシャンバンド」。手首が約150mmの筆者が5mmのウェットスーツで着用したところ
ウォータースポーツ向けの「オーシャンバンド」。手首が約150mmの筆者が5mmのウェットスーツで着用したところ

 手首が約150mmの筆者は、日常では11ある穴のうち6つ目をやや余裕のある状態で利用している。5mmのウェットスーツを着用した場合は9つ目となった。さらに厚みのある6.5mmのウェットスーツでもなんとか着用できそうだ。長さが足りない場合は、オプションの「エクステンションバンド」(税込:6800円)により50mm伸ばせる。

 通常の時計では、ベルトの余った部分を通すループ(輪っかの部分)は遊びがあるものが多いが、オーシャンバンドはチューブ状の穴に「アジャスタブルループ」をはめてしっかり固定する。

チューブ状の穴に「アジャスタブルループ」をはめ込む。素材はチタン
チューブ状の穴に「アジャスタブルループ」をはめ込む。素材はチタン

 日常とダイビングのときでは留める位置が異なるため、アジャスタブルループの位置の付け替えがやや面倒な作業に感じる。

 しかし、実際に潜ってみると、これまで使用してきたダイビングコンピュータで起きてきたような位置のズレが起きることなく、ウェットスーツの上からでもしっかりと固定されておりフィット感に安心できた。

気になる水中の視認性は?

 Apple Watch Ultraは、日差しでまぶしく感じる状況下でも見やすいことは、前回お伝えしたとおりだ。これは、最大2000ニトの輝度を持つ常時表示Retinaディスプレイ(396×484ピクセル)によるもの。では、水中ではどうか。

 海に入ってみると、とにかく明るく見やすさに驚いた。位置によってはディスプレイに自分が映り込むことがないわけではないが、まったく気にならない。

少しカメラが写り込んでいるが、問題なく見やすい
少しカメラが写り込んでいるが、問題なく見やすい

 また、水中では光が水に吸収されるので、深度が深くなるとより暗くなっていく。水深30mを超えるようなエリアでも、見やすさを保っていた。

 これまで使用してきたダイブコンピュータでは、ある程度の水深までいくとライトで照らす、あるいはダイブコンピュータのバックライトボタンを押して表示を確認することが多かった。ところが、Apple Watch Ultraは常時明るいので、なにもする必要がない。

 一緒に潜ったメンバーも、水中でApple Watch Ultraのディスプレイを見て見やすいと驚いており、第三者が異なる角度で見てもはっきりと見やすいことがわかる。これは今後のOceanic+アプリケーションでも期待できそうだと感じた。

 なお、水の中では自動的に防水ロックがかかり、画面のタッチ操作は機能しなくなる。海から上がったらデジタルクラウンを「ロック解除」と表示されるまで長押しして、スピーカーに残っている水を排出すると通常通りに画面を操作できるようになる。

30m超えの深場でも視認性はバッチリ。ダイブコンピュータと比べて圧倒的に見やすい
30m超えの深場でも視認性はバッチリ。ダイブコンピュータと比べて圧倒的に見やすい

既存のダイブコンピュータとの比較

 今回使用した標準搭載の水深アプリは、水温、水中での経過時間、40メートル(130フィート)までの水深を測定できる機能だ。ダイブコンピュータとしての機能はないので、シュノーケリング、プールでのスイミング、フリーダイビングなどのレクリエーション向けとなっている。そのため、通常使用しているTUSAのダイブコンピュータ「IQ1204」も併せて使用した。

潜水時間が秒単位で見られる。表示は上から「現在時刻」「水深」「潜水時間」「水温」「最大深度」
潜水時間が秒単位で見られる。表示は上から「現在時刻」「水深」「潜水時間」「水温」「最大深度」

 自動起動をオンにしていると、Apple Watch Ultraは水深1m以上に潜ったときに水深アプリが開きセッションを開始する。一方のTUSAのIQ1204は、水深1.6mの圧力を感知してから最短で1秒、最長で20秒後にダイブモードに切り替わる。また、ダイブモードが終了するのもApple Watchよりやや早いため、比較すると潜水時間がやや異なっていたが、気にならない程度の範囲だった。

 水深アプリでは、「現在の時刻」「現在の水深と最大水深」「潜水時間」「水温」が表示される。潜水時間は、「35:31」(35分31秒)と秒単位で表示され、1時間を超えたときの表記は「01:02:42」(1時間2分42秒)となっていた。

 Apple Watch Ultraが表示する水温は、「24°」など1度単位で、IQ1204は「24.5℃」と0.1度単位で表示される。1度ズレがあることもあったが、気にするほどではなさそうだ。

 表示される水深を比較してみたが、どちらもほぼ同じ。たまに1m程度違うときもあるかな、という程度で既存のダイブコンピュータと変わらないため、安心してよさそうだ。なお、水温や水深の詳細データは「ヘルスケア」アプリから見られる。Apple Watch Ultraはいずれもほぼリアルタイムに記録をとっており、詳細はデータソースからたどれる。

水深:[ヘルスケア]-[ブラウズ]-[アクティビティ]-[水中深度]、水温:[ヘルスケア]-[ブラウズ]-[その他]で見られる
水深:[ヘルスケア]-[ブラウズ]-[アクティビティ]-[水中深度]、水温:[ヘルスケア]-[ブラウズ]-[その他]で見られる

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