Googleは11月8日、動画フォーマット「YouTube ショート」について、大画面への対応を順次開始すると発表した。今後数週間のうちに、2019年以降製造のテレビや新型のゲーム機において、対応する動画プレーヤーが利用できるようになる。
YouTube ショートは、モバイル端末での動画視聴・作成に最適化された動画フォーマットサービス。
同社によると、視聴形態のひとつとして、テレビが現在最も急速に成長していることから、対応を決定したという。
なお、モバイル端末用に最適化された縦型の動画フォーマットを大画面に適応させることは容易ではないという。今回の新プレーヤーでは、モバイル端末でショート動画を見るときと同じ視聴体験を提供しつつ、テレビの大画面で自然に動画を表示できることを重視している。
市場調査では、参加者にテレビで視聴したショート動画に関する気持ちを「ラブレター」か「別れの手紙」のいずれかの形式で表現するように依頼した。その結果、「ラブレター」からは、お気に入りのコンテンツを友人や家族と気軽に視聴できるという体験が高く評価され、「別れの手紙」からは動作がぎこちない、読み込みが遅い、共有などの主要な機能が不足しているなどの声があったという。
そこで、従来どおりの動画プレーヤーとなるオプションA、動画の左右に空白が表示されないようカスタマイズしたオプションB、複数のショート動画を同時に再生できるジュークボックススタイルのオプションCという、まったく異なるデザインコンセプトを作成し、再度調査を実施した。
その結果、オプションAでは本来得られるはずのワクワク感が失われ、オプションCでは「一度にひとつの動画だけを流すというYouTube ショートの本質からかけ離れたものになってしまっている」という感想が寄せられたという。
最も評価されたのは、すっきりとしたデザインと大画面の広い表示領域の活用を同時に実現したオプションBだった。
加えて、次の動画を自動再生するより、リモコンを用いて、手動で次のショート動画を再生することが好まれるという結果も判明したという。
設計の最終段階では、純粋な視聴体験とYouTube ショートやYouTubeで期待される機能(コメント、高評価やチャンネル登録などのユーザーからの反応、関連動画の表示など)の適切なバランスを見極めるため、プロトタイプを2種類(シンプル、最大)を試作した。
シンプルバージョンでは、サイドバーやYouTube ショートの使用に必要な基本的機能など、最低限の要素のみが組み込んだ。また、最大バージョンでは、関連タグやコメントなど、さらに多くの機能を表示し、かつカラーサンプリングとぼかし処理を施した背景を実装した。
これらプロトタイプをコミュニティ内でテストしたところ、最大バージョンの方が評価が高かった。このことから、最大バージョンに改善を施し、新プレーヤーとして、11月8日より提供を開始した。なお、今後のリリースでさらなる機能追加を計画しているという。
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