ソニーは11月10日、同社のスマートウォッチ「wena 3」と、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」とのコラボレーションモデル3機種を数量限定で販売することを発表した。11月17日の12時より予約受付を開始する。
価格は、空条徐倫モデルとなる「wena 3 –JOJO Jolyne Edition-」(型番:WNW-SN21A/L)が5万9400円(税込)。空条承太郎モデルとなる「wena 3 –JOJO Jotaro Edition-(型番:WNW-SC24A/Y)が7万400円(税込)。エンリコ・プッチモデルとなる「wena 3 –JOJO Enrico・P Edition-」(型番:WNW-SC23A/W)が7万4800円(税込)。
これまでもジョジョの奇妙な冒険シリーズ(以下「ジョジョ」)とコラボした腕時計は販売されてきたが、「スマートウォッチ」として登場するのは今回のソニーのwenaが初めて。そこで本記事では、ジョジョコラボモデルの発表に合わせ、ソニーのwena事業責任者である對馬哲平氏にインタビューを実施。各モデルの特徴や、細部まで作品愛・キャラクター愛に満ちた、尋常ではないこだわりを聞いた。
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」の主人公・空条徐倫役を務める声優・ファイルーズあいさんが同コラボモデルの感想を語ったインタビューはこちら
wenaは、ソニーが手がける電子マネー、通知、活動ログ機能などを搭載したスマートウォッチ。非接触ICカード技術であるFeliCaを装備しており、Suicaや電子マネーが利用できる。またスマートフォンと連動し、電話やメールの着信・SNSなどの更新を、LEDや振動で通知する。活動量計も搭載し、1日の歩数や消費カロリー・心拍数などを専用アプリで確認することも可能だ。
wenaが他社のスマートウォッチと大きく異なるのは、「バックル部分」にスマートウォッチ機能のすべてを内蔵していること。そのため、腕時計の「顔」とも言えるヘッド・バンド部分を自由自在にカスタマイズすることができ、自分がこれまで使っていた腕時計のヘッドにwenaを取り付けることも可能。一般的なスマートウォッチではバンドを付け替えることはできても、機能が搭載されている液晶ヘッド部分を付け替えることができないため、デザイン・ファッション面での制約をうけることに不自由しているユーザーも多いことだろう。
この、ヘッドやバンドが自由にカスタマイズできるという特徴を生かして、エヴァンゲリオンやシン・ウルトラマン、マクロスシリーズの河森正治監督とのコラボレーションなど、数多くのコラボ製品が発売されており、なかには予約段階で即日完売したモデルもあるほど。
wenaは、各社が販売するスマートウォッチの中でも、群を抜いてコラボレーションを展開している。コラボレーションしやすい構造面での特徴もさることながら、戦略的には「ガジェット好き・スマートウォッチ好き以外の層にもwenaの魅力を伝える目的」が大きいという。wenaは現在3世代目。世代を追うごとに倍々と販売台数が伸びており、スマートウォッチ市場での存在感も高まっているという。一方で、腕時計の愛好家や、普段腕時計もスマートウォッチもしない層への認知はまだまだ高いと言えないことから、認知と販売の裾野を広げる施策の1つがコラボレーションだと對馬氏は説明する。
コラボのしやすさは、時計のヘッドを自由に選べるwenaだからこそ。ただし、やみくもに人気作品とコラボレーションしているわけではない。wenaではコラボレーションをする際に「愛がこもった製品を作れるかどうか」を基準の1つにしており、「(作り手がその作品を)“心から愛していること”であることが大事」だと強調する。
wenaはもともと、クラウドファンディングから生まれた製品だ。従来型の腕時計とスマートウォッチのどちらも好きな對馬氏が、それらをどうにか1つにできないかと考え、wenaを生み出した。クラウドファンディングを実施した際にも、自身の熱い思いや思想を伝えたことで、多くの共感や反響が得られ現在のシリーズ化に至っている。だからこそ、コラボレーションモデルを作る時には、まず作品を愛するファンに喜んでもらえるかを第一に考えており、作り手がファンと同じ、またはそれ以上の熱量で企画できることが絶対条件であるという。
そんなwena 3との次なるコラボ作品が、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」だ。2021年にアニメの配信がスタートし、現在は第2期がTV放送中およびNetflixでも配信中。数々の困難を乗り越えていく、主人公・空条徐倫の成長と父・承太郎との絆を描きながら、物語はいよいよ終盤、宿敵プッチ神父との決戦へと向かっていくーー。
今回のコラボレーションでは、「ストーンオーシャン」に登場する、空条徐倫、空条承太郎、エンリコ・プッチの3モデルが限定販売される。3モデルに共通するコンセプトは、「各キャラクターの人生や価値観・スタンド能力を腕時計としてリビルドしたらどうなるか」。
ジョジョコラボモデルの企画着想は2年以上前から、デザイン・開発には約1年半かかっている。デザインは初期のものから進化を繰り返し、監修を経て製品版へと至った。ここからは、空条徐倫、空条承太郎、エンリコ・プッチの3モデルの詳細をじっくり紹介していこう。
最初に紹介する空条徐倫モデルは、ハイジュエリーブランドの宝飾時計のような外観が印象的なモデルだ。刑務所やプッチ神父の罠という蜘蛛の巣に囚われ、そこから自由に飛び立っていく徐倫の一生や精神の形をデザインに落とし込むことを意識したという。
文字盤には、胸元の蝶と剣のモチーフ、蜘蛛の巣、星型のアザなど、徐倫にまつわるモチーフがふんだんに散りばめられている。時針はスタンド能力のすべてを生み出すことになった鏃(ルビ:やじり)のカケラがモチーフ。分針はストーン・フリーの糸で形作られた矢印となっている。
ほかにも、12時の位置に承太郎から託されたロケットペンダントが描かれているほか、9時の位置には「JOLYNE」の文字が刻まれている。これは、プッチ神父のスタンド「ホワイトスネイク」にDISCを抜かれ意識不明状態の承太郎と、徐倫双方の腕にあらわれた父娘の絆を示す文字。後ほど紹介する空条承太郎モデルにも同様のものが刻まれており、ぜひ親子セットで手に入れたいところだ。
文字盤だけでも見どころ満載の徐倫モデルだが、ベルトにも他の2モデルにはない大きな特徴がある。それは、ベルト自体がとても長く、二重巻き、三重巻きにしてアクセサリーのように身に着けられること。
徐倫好きの読者の方ならすぐにピンとくると思うが、これは、彼女のスタンド「ストーン・フリー」のように糸を編んで“網状”になったベルトを表現しているという。さらに裏地にはG.D.st JAILのロゴを編み込んである。一見、女性向けのように見えるが、こちらの写真のように、もちろん男性でもお洒落に身につけることができる。
そして裏蓋は、監獄の格子をイメージしたデザインとなっている。つい中央のストーン・フリーの顔や、囚人番号に目が向いてしまうが、ぜひ右上あたり格子の奥に注目してほしい。ナルシソ・アナスイのスタンド「ダイバー・ダウン」が潜行していることが分かるだろう。ここには「徐倫と商品を守る」という思いが込められており、アナスイの徐倫への深い愛を感じ取ることができる。
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