視野が広くなり、新しいスリムなパンケーキ光学レンズを採用したディスプレイにより、Quest Proの前面はバイザーのように感じる。また、バイザーと同じように、簡単に顔に装着することができる。ヘッドセットを締めるときは、背面のダイヤルを使用する。これは、「PlayStation VR2」やMetaの「Quest 2 Elite」ストラップなど、他のさまざまなAR/VRヘッドセットとよく似ている。前面のレンズは前後に動かすことができ、左右の目の間の距離(瞳孔間距離)をQuest 2より広い範囲で調節できるようになっている。
ディスプレイはQuest 2よりも優れており、量子ドットLEDバックライトやローカル調光技術を採用したLCDディスプレイを備えている(OLEDではないが、黒レベルがより改善されている)。また、ディスプレイは正面からでも斜めからでもシャープに見えるように設計されており、ピクセル密度と色域も向上している。
周辺視野にあるものも見ることができるので、このヘッドセットのパススルー・カラー・カメラ・ディスプレイは、現実世界の延長のように感じる。そのせいで、Quest Proは厳密にはVRヘッドセットであるにもかかわらず、VRヘッドセットよりもARヘッドセットに近い印象を受ける。付属のシリコン製部分遮光ブロッカーは、アプリをより従来のVRに近いものに感じさせるためのものだ。より多くの光を遮る49.99ドル(6820円)の完全没入型フル遮光ブロッカーも別売りで用意されている。個人的な密閉型シアターのような効果を求めている人にとって、Quest Proは理想的な選択肢ではない。Quest Proは、周囲の環境も同時に見ることができるVRデバイスとして優れているようだ。
Quest Proには、ヘッドセットの内部に5つのセンサー、外部に5つのセンサー(さまざまなカメラと赤外線センサー)、コントローラー(それぞれ「Snapdragon 662」プロセッサーを搭載)に2つのカメラがある(現時点では、動画をキャプチャーすることはできないが、今後、できるようになる可能性もある)。
筆者がQuest Proで試したほぼすべてのデモは複合現実モードで、パススルーカメラの動画とVRグラフィックスが融合されていた。Metaはパススルーカメラの解像度がQuest 2の4倍だとしているが、現実世界の肉眼で見る鮮明さにはまだ遠く及ばないと感じる。
それでも、自分の周りの世界を見るには十分な画質だ。世界が3Dになったように感じる(Quest Proは、ARヘッドセットやLiDARの仕組みと似ている、赤外線を利用した最大5mの深度マッピングを備える)。VRが驚くほど自然に融合されていると感じることもある。
Quest向けアプリ「Painting VR」の最新バージョンを使用して、デモルームの中でイーゼルの前まで歩いて行き、隣のテーブルに置かれた筆に手を伸ばした。仮想のテーブルに置かれた筆もあれば、現実のテーブルに置かれた筆もあった。どっちが仮想で、どっちが現実なのかを思い出すため、少しの間、再確認しなければならなかった。トリケラトプスを描いた傑作を完成させた後、デモスペースのカーテンで仕切られた壁の1つにその作品を掛け、近くに寄って鑑賞し、筆遣いを堪能した。
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