NTTドコモは10月6日、2022-2023冬春の新製品を発表した。スマートフォン6機種をはじめとした合計12機種を11月以降に順次発売するとしており、その具体的な狙いと詳しい内容についてメディア向けに説明した。
NTTドコモのプロダクト部長である松野亘氏によると、同社では2021年のスマートフォン冬モデルから全機種に5Gを搭載している。結果スマートフォンの販売数に占める5Gの搭載率は既に97%に達しているとのこと。さらに5Gの契約者数も26%に伸びていることから、それをさらに加速するべく今回の新製品には、より幅広い端末への5G搭載が進められているという。
具体的な5Gの新機種としては、スマートフォンのハイスペックモデルとスタンダードモデルを3機種ずつ用意。それに加えてタブレットやWi-Fiルーター、さらには4G対応のフィーチャーフォンなど6機種も用意し、計12機種を投入して幅広いニーズに応えたいとしている。
このうちハイスペックモデルに位置付けられるのは、韓国サムスン電子製の「Galaxy Z Flip4 SC-54C」と「Galaxy Z Fold4 SC-55C」、そしてソニー製の「Xperia 5 IV SO-54C」の3機種で、いずれも既に発売および発表済みだ。一方のスタンダードモデルに関しても、シャープ製の「AQUOS sense7 SH-53C」とサムスン電子製の「Galaxy A23 5G SC-56C」はすでに発表済みである。
だがそれに加えて今回、松野氏は新たにFCNT製の「arrows N F-51C」を追加することを明かした。これは米クアルコム製の「Snapdragon 695 5G」を搭載するなど、性能的にはミドルクラスに位置付けられるモデルだが、松野氏によると大きなポイントは、環境に配慮したエシカルな設計となっていることだという。
実際、arrows Nの本体にはリサイクル素材を67%使用しているとのこと。さらに国内での製造工程においても再生可能エネルギーを使用するなど、環境への配慮を重視した取り組みがなされていることが分かる。
それに加えてバッテリーの長寿命化技術に注力し4年間変わらない持続時間を実現するとしているほか、OSのアップデートに関しても最大3回、セキュリティ更新も最大4年間実施するとしている。ミドルクラスでこれだけ長期間のOSアップデートに言及するのは異例だが、現時点では将来のAndroidの要求水準が分からず、アップデートの実現には現行のチップセットで動作するかどうかの検証が必要なことから、あくまで“最大”という表現になるとのことだ。
環境に関する取り組みは本体以外でも実施されるそうで、オンラインショップでarrows Nを購入した場合は1%相当を寄付するプログラムを用意、寄付先は環境保全団体の「WWFジャパン」を予定しているとのこと。加えて「docomo select」で取り扱うarrows N用ケースにも、金属類を除いてエコ素材を100%活用したものを用意するという。
NTTドコモは2030年までに自社の事業で排出する温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラル宣言を実施しているが、同社ではarrows Nを皮切りとして、パートナー企業や顧客とカーボンニュートラル実現に向けて取り組む「カボニュー」を一層推進していく方針とのこと。具体的には、顧客がエコな行動をするとスコアが貯まるサービスをarrows Nにプリインストールすることを検討しており、今後それを他の機種にも順次展開していきたいと松野氏は話している。
さらに松野氏は、スマートフォン以外の新機種についても説明。その1つは2020年以来となるタブレット「dtab」シリーズの新機種で、1つは画面サイズが約10.1インチの大画面タブレット「dtab d-51C」、そしてもう1つは、画面サイズが約8.4インチのコンパクトタブレット「dtab Compact d-52C」だ。
いずれもスタンダードな形状のタブレットだが、前機種との大きな変化となるのはやはり5Gに対応したこと。共に「Snapdragon 695 5G」を搭載し、物理SIMのスロットはなくeSIMのみを搭載するなど性能面では共通しているが、開発したメーカーは違っておりdtabはシャープ製、dtab Compactは中国レノボ製となる。
またデータ通信用の端末についても、5G対応モバイルWi-Fiルーターの新機種「Wi-Fi STATION SH-54C」を新たに用意。イーサネット端子を外付けにしてコンパクト化を図る一方、ミリ波、そして5Gの実力をフルに発揮できる「5G SA」に対応、最大通信速度は受信時4.9Gbps、送信時1.1Gbpsになるとのこと。
さらに固定ブロードバンドの代替サービス「home 5G」向け端末も、新機種「HR02」を用意。LEDの表示がより見やすい位置に変更されるなどデザイン面での改良がなされたのに加え、新たに「Wi-Fi EasyMesh」に対応、対応する中継機を用意することでメッシュネットワークの構築が可能となっている。
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