ドコモ、冬春モデルは全機種が5G対応、シニア向けも大幅強化--5G対応ノートPCも登場

 NTTドコモは10月6日、2021〜2022年の冬春商戦に向けた新商品の説明会を実施。発表済みのモデルを含むスマートフォン8機種のほか、5G対応ノートPCの販売や新たなデバイスに関する取り組みなどを説明した。

2021-2022冬春モデルは全8機種
2021-2022冬春モデルは全8機種

低価格、シニア向け端末も5G化

 同社のプロダクト部 部長である安部成司氏はまず、現在の5Gの進捗状況を紹介。5G向けに割り当てられた周波数帯を用い、4Gより高速大容量通信が可能な「瞬速5G」の基地局が8月時点で1万2000局に達したほか、環境に配慮した「グリーン5G」を10月より開始するなど、順調に整備を進めている様子を示す。

5Gのエリアは順調に拡大していることから、その利用を拡大するため冬春商戦向けの端末ラインアップは全機種5G対応になるとのこと
5Gのエリアは順調に拡大していることから、その利用を拡大するため冬春商戦向けの端末ラインアップは全機種5G対応になるとのこと

 そうしたことから安部氏は「今後、5Gが当たり前になる」とし、今回発表するラインアップは全機種5G対応になると説明。一方でAndroidスマートフォンの販売比率を見ると、2019年の電気通信事業法改正による端末の値引き規制の影響などもあり、2019年から2021年にかけて「ハイスペック」のスマートフォン販売が大幅に減少する一方、低価格の「スタンダード」や、シニア向けの「らくらく」の購入比率が増えているという。

電気通信事業法改正の影響などもありAndroid端末の販売トレンドは大きく変化、低価格モデルやシニア向け端末のニーズが高まっているという
電気通信事業法改正の影響などもありAndroid端末の販売トレンドは大きく変化、低価格モデルやシニア向け端末のニーズが高まっているという

 そこで今回の冬春商戦に向けたラインアップは、5Gに対応しながらもコストパフォーマンスを重視する顧客に向け、ドコモオンラインショップでの販売価格が税抜きで2万円を切る「arrows We F-51B」を始めとした、低価格のラインアップを強化。ドコモ独自のモデルとして、サムスン電子製の「Galaxy A22 5G SC-56B」の投入も明らかにしている。

低価格ニーズの高まりから、新機種は「Galaxy A22 5G SC-56B」など低価格モデルの強化がなされている
低価格ニーズの高まりから、新機種は「Galaxy A22 5G SC-56B」など低価格モデルの強化がなされている

 さらに使いやすさを重視する、スマートフォン初心者のシニア層に向けたラインアップの強化を図ったとのこと。そのうち1機種は、ドコモが継続的に投入しているFCNT製の「らくらくスマートフォン」の最新機種「F-52B」だが、それに加えて今回は、新たに「あんしんスマホ KY-51B」の提供も発表している。

 こちらはディスプレイサイズが6.1インチとより大画面で、スタイリッシュなデザインを採用するなど、使い勝手とデザイン性の両立を図ったシニア向け端末。開発したのは京セラとのことで、ドコモとして初めて京セラ製のスマートフォンを扱うことになるという。

シニア向け端末の新ラインアップとして「あんしんスマホ KY-51B」の投入を発表。京セラ製スマートフォンをNTTドコモが扱うのは初めてとなる
シニア向け端末の新ラインアップとして「あんしんスマホ KY-51B」の投入を発表。京セラ製スマートフォンをNTTドコモが扱うのは初めてとなる

 それらに加えて、説明会同日に販売を開始した「Galaxy Z Fold3 5G SC-55B」など、発表済みのハイスペックモデル3機種を合わせた8機種を、冬春商戦向けのラインアップに揃えたとのこと。なおarrows Weと「AQUOS sense6 SH-54B」の2機種はドコモオンラインショップ限定カラーが用意され、その購入代金の一部は日本赤十字に寄付されるとのことだ。

 一方で、電気通信事業法改正による値引き規制に加え、2021年10月1日以降に販売された端末はSIMロックが原則禁止されるなど、行政の影響により携帯電話会社が端末を販売する意義も薄れてきている。安部氏は自社で端末を販売する意義について、「われわれのネットワークで快適に使えることを、顧客に提供することが重要と思っている」と説明、端末ベンダーと協議し自社が免許を持つ周波数帯への対応を整え、快適に利用できることが重要と話す。

 だが総務省の有識者会議などでは、SIMロックの原則禁止に合わせる形で他社周波数帯への対応を求める声も出てきている。この点について安部氏は、「さまざまな周波数帯に対応することで、端末コストが相対的に上がることを懸念している」と話す一方、顧客の流動性が上がる中で他社に移っても利用できるようにするというのも1つの考え方だとし、コストと利便性のバランスを考慮した対応を進めていきたいと答えた。

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