衝突検出機能や衛星経由で助けを呼ぶ機能などの新機能は、iPhoneの最新機種向けに設計されたものかもしれないが、Appleは古いデバイスにも安全技術を追加しようとしているようだ。iPhone向けの無料の「iOS 16」ソフトウェアアップデートでは、「個人情報安全性チェック」を追加して、家庭内暴力の被害者が虐待を受けている状況からより簡単に逃れられるようにした。また、iPhoneの通信機能を制限して、所有者を潜在的なハッキング攻撃から保護する「ロックダウンモード」も追加している。
Appleの新しい衛星機能が緊急時に人々の役に立つであろうことは、想像に難くない。2003年、携帯電話など、助けを呼ぶ手段を持たずにユタ州のキャニオンランズ国立公園を訪れて、何日間も身動きが取れなくなったハイカー/ロッククライマーのAaron Ralstonさんのような人もいる。
これらのテクノロジーを開発するには、ソフトウェアとセンサー、インフラ(例えば、衛星通信を可能にする十分な数の衛星)の複雑な連携が必要であり、その点において、Appleは競合他社よりも優れている、と業界ウォッチャーは述べている。
Appleのサテライトモデリングおよびシミュレーション担当マネージャーであるAshley Williams氏は、この新機能を発表したとき、「常識を覆すハードウェアソフトウェアとインフラの革新を通じてこのビジョンを実現するのに、何年もの時間がかかった」と語った。
初代iPhoneの発売から15年が経過した今、Appleが直面している最も困難な課題の1つは、私たちのポケットにあるスーパーコンピューターを刷新するにはどうすればいいのか、ということだ。もちろん、毎年、デバイスの動作を高速化したり、カメラを強化したりすることは可能だろう。だが、それ以外に何ができるのだろうか。
2022年モデルのApple WatchとiPhoneがその鍵を握っているかもしれない、と長年のAppleウォッチャーは話す。Lopez ResearchのアナリストのMaribel Lopez氏は、「Appleは、実際のユーザーが悩まされている実際の問題を解決しようとしている」と述べた。
Lopez氏は、「万人向けの機能もあれば、ごく一部の特定のユーザー向けの機能もあった」と付け加えた。しかし、それらの機能はどれも、本体を落としたときに壊れにくくするといった基本的な問題に加えて、携帯電話サービスが機能していないときはどうすればいいのかといった長年の問題を解決することにも主眼を置いている。「今や皆、スマートフォンやスマートウォッチは外出のときに当たり前に持って出るもので、デバイスの問題には悩まされたくないと思っている時代だ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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