ソニーは9月13日、OTC補聴器の開発・販売を目的として、補聴器メーカーのWS Audiology Denmark A/Sと協業契約を締結したことを発表した。米国向けに展開予定で、1つの補聴器を既に開発中だという。
両社のプレスリリースによると、この補聴器の詳細については発売日近くに発表する予定だという。ソニーの動きは、ヘルスケアとハイテク業界の境界線がさらにあいまいになる新時代の幕開けを印象付けるものだ。米食品医薬局(FDA)は8月、補聴器を処方箋なしで店舗(OTC)で販売することを許可した。これによって、補聴器を使うことで恩恵を得られる、約3000万人の米国人のコストと負担が軽減されると期待されている。また、より多くの企業がヘルスケア市場に参入できるようにもなる。
FDAのこの規則は10月17日に発効する予定で、一部の企業の補聴器は、早ければ10月に店頭や薬局に並ぶ見込みだ。例えばBest Buyは、OTC補聴器を含む聴覚補助商品の取り扱いを拡大すると述べている。
「本協業を通じて、両社のもつ技術やノウハウを結集し、同分野で新たな業界スタンダードとなる商品・ソリューションを生み出すことを目指す」と、両社はプレスリリースで述べた。
OTC補聴器は、軽度または中等度の聴力低下を認識する人々を対象に提供されることになると、FDAは述べている。American Speech-Language-Hearing Association(ASHA)で聴覚学実践担当シニアディレクターを務めるTricia Ashby-Scabis氏は8月、米CNETに対し、これらのOTC補聴器の恩恵を最も受ける可能性があるのは、聴覚が低下し始めたばかりの人々だと語った。
しかし、ハイテク企業がヘルスケア業界に参入するという市場の融合は、すべての人々からもろ手を挙げて受け入れられているわけではない。補聴器メーカーStarkey Hearingのプレジデントを務めるBrandon Sawalich氏は以前、米CNETに対し、補聴器は「家電製品ではない」と述べていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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