嫌がらせ掲示板「Kiwi Farms」をCloudflareがブロック--「差し迫った脅威」のため

Oscar Gonzalez (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年09月06日 09時52分

 インターネットインフラ企業のCloudflareは米国時間9月3日、組織的な嫌がらせ活動で知られる掲示板「Kiwi Farms」をブロックしたと発表した。「前例のない緊急事態と人命に対する差し迫った脅威」を理由として挙げている。

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提供:Getty Images

 「Kiwi Farmsサイト上の議論と特定の標的を対象とした脅威がこの48時間でエスカレートしており、Kiwi Farmsやその他の顧客サイトでこれまで目にしてきたのとは異なる、前例のない緊急事態と人命に対する差し迫った脅威があると確信するに至った」と、Cloudflareの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のMatthew Prince氏は発表の中で述べた

 Kiwi Farmsを訪問しようとすると、このサイトはブロックされているというメッセージとともに、Cloudflareの発表へのリンクが表示される。

このサイトはブロックされているというメッセージ
提供:Cloudflare

 サイトがブロックされたことについてKiwi Farmsにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。

Kiwi Farmsとは

 Kiwi Farmsは、嫌がらせに特化した掲示板で、悪名高い匿名画像掲示板「4chan」の派生サイトとして開設された。New York Magazineの2016年の記事によると、2007年頃の開設当初は「CWCki」という名称で、当時はオンライン上の単一の人物に対する嫌がらせに特化していたという。2014年にKiwi Farmsへと改称した。

 「Kiwi Farmsは、多数の嫌がらせ活動の中心となっており、中には、晒し行為やスワッティングのほか、標的になった人の自殺にまでつながったケースもある」と、ADLのCenter for Technology and Societyで戦略および運用担当ディレクターを務めるDaniel Kelly氏は述べた。

 晒しとは、住所や電話番号などの個人情報を、本人の許可なくオンラインに公開する行為だ。スワッティングとは、警察に虚偽の通報をして、武装した緊急部隊を対象の自宅に出動させるなどする行為。

 Kiwi Farms上には、LGBTQコミュニティー、特にトランスジェンダーを標的とした投稿が頻繁になされている。The Washington Postによると、Kiwi Farmsに関連する嫌がらせ活動が原因で、少なくとも3人の自殺者が出ているという。

 Kiwi Farmsは、2019年にニュージーランドのクライストチャーチにある2つのモスクで起きた銃乱射事件の犯人とも関連している。この事件では51人が死亡した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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