私のスマートフォンには、7つのソーシャルメディアアプリがインストールされている。毎日すべてを使うわけではないが、かなりの時間を費やしていることは確かだ。そういう人は私だけではないだろう。2022年4月の時点で、ソーシャルメディアの利用者数は世界全体で46億5000万人、1日の平均利用時間は約2.5時間に上る。
これらのアプリが高い人気を博しているのには理由がある。ソーシャルメディアは、そもそもユーザーを中毒のような状態にするように設計されているのだ。ソーシャルメディアを使っているとドーパミンが分泌され、自分の投稿に「いいね!」がついたり、誰かが反応したりすると気分が上がる。しかし自己認識や自己評価がオンラインでの自分と結びついていると、ソーシャルメディアとメンタルヘルスの関係は悪化することがある。
ソーシャルメディアがメンタルヘルスに悪影響を与える場合があることについては、多くの人が同意するだろう。では、ソーシャルメディアはなぜ、どのように私たちの世界観や自己認識に影響を与えるのか。その原因は、インターネットにはびこる陰湿な攻撃やいじめにとどまらない。
ソーシャルメディアを日常的に使う人が爆発的に増えているが、これは比較的新しい現象なので、その影響を長期的に追った研究はまだない。しかし、ソーシャルメディアの使用が不安やうつ、自尊心の低下といったメンタルヘルスの問題とからんでいることは、すでに多くの調査で明らかになっている。
ソーシャルメディアを常用していると、不安や抑うつの症状が悪化し、孤立感が深まりやすい場合があるとの見方がある。調査の結果、ソーシャルメディアの過剰な使用とプラットフォームへの感情的依存が組み合わさると、不安や抑うつが高まる側面があることが分かった。ピッツバーグ大学の調査では、7〜11のプラットフォームを利用していると回答した人は、1つか2つしか使っていない人と比べて、抑うつや不安を経験するリスクが3倍も高かった。
しかし、ソーシャルメディアにはプラスの面もある。例えば、不安や気分の落ち込みに対処するためにソーシャルメディアを使っている人もいると研究者は指摘する。しかし、うんざりした気分や不安にとらわれているときにソーシャルメディアを長時間使っていると、その行為自体が状況を悪化させ、気づかないうちに悪循環に陥ることがある。
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