VRIコラム

「紅茶花伝 TinyTANコラボフェア」のストーリー

 企業が生活者とコミュニケーションしていくには、何よりもストーリーが重要です。この場合の「ストーリー」とは、相手の感情を動かすエピソードや仕組みを指します。

 日本コカ・コーラの「紅茶花伝」は1992年のブランド誕生以来30周年を迎え、2022年は「上質な紅茶ブランドの位置づけをさら強化する」という目的でプロモーションを実施しています。

 そんな「紅茶花伝」が2022年6月20日からおこなっている「TinyTAN(タイニータン)」とのコラボキャンペーンは、多くの人を巻き込むストーリーがありました。

 
 

 TinyTANとは世界的人気を誇る「BTS」のオフィシャルキャラクターのこと。英語の「小さくて可愛い」という意味のTinyと、「BTS(防弾少年団)」の「弾(tan)」が組み合わさった造語で、「小さくて可愛いBTS」というような意味になります。

 紅茶花伝とTinyTANとのコラボキャンペーンは昨年度も実施され好評だったことから今年度も実施されました。TVCMなどの広告では、TinyTANが架空の紅茶専門紙「TEA TIMES」の記者として、紅茶花伝の各商品のおいしさの秘密と、「仕事、家事、勉強などの合間のちょっとしたリフレッシュにぴったりであること」を伝えていくという内容になっています。

 同時に6月20日(月)から7月17日(日)までの期間中、専用サイトの中でTinyTANのキャラクターを選ぶと、自分だけのオリジナル取材記事が作れるTwitterキャンペーンを展開しました。

 これは作成したオリジナル記事をTwitterでシェアすると、紅茶花伝の公式Twitterのまとめ記事に掲載されるというものです。さらに店頭では、対象商品の購入レシートを撮影して応募するとその場で「TinyTANコラボな記者セット」などが当たるプロモーションも行いました。

 BTSは6月にグループ活動の休止が発表され世界中に衝撃を与えたばかり。そのこともありこのキャンペーンは話題になり、多くの方が参加しました。

 Twitterキャンペーンは、自分の推しのキャラクターを選ぶことで、オリジナル記事が作れるというストーリーがありました。参加することで、自然の紅茶花伝のおいしさの秘密にも触れることになり、商品のファンになる可能性も高いでしょう。

 このように、優れたコミュニケーションには必ずストーリーがあります。あなたの会社のコミュニケーションにはインタラクティブなストーリーがありますか?

◇ライタープロフィール
川上徹也(かわかみ てつや)

広告代理店勤務を経て、コピーライターとして独立。最近は広告制作に留まらず、「ストーリーブランディング」の第一人者として、様々な企業・団体のマーケティング・アドバイザーをつとめる。最新刊は『すごいタイトル(秘)法則』(青春出版社)。

この記事はビデオリサーチインタラクティブのコラムからの転載です。

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