ソフトウェアの問題もある。サムスンには、「Android」上に実装した独自のインターフェース「One UI」があり、これはGalaxy Z FlipおよびGalaxy Z Foldシリーズで最も過小評価されている特性に違いない。新しい設計では、現在のスマートフォンに求められる機能をすべて実現しつつ、同時に折りたたみ画面を活かす新しい機能も開発しなければならない。しかも、バグや障害がないよう、完全無欠にそれを達成する必要があるのだ。
例えば、Galaxyシリーズのフレックスモードは、何年か前に登場した。Galaxy Z FlipまたはGalaxy Z FoldをL字型に折って、小型のノートPCのような形にしたとき、アプリは上画面に移動し、下画面は各種の機能用になる。良さそうなアイデアだし、いろいろと応用ができそうに感じるだろう。
だが、2022年になるまで、この機能は限定的だった。だからこそ、Galaxy Z Flip4とGalaxy Z Fold4のフレックスモードで、画面の下半分をタッチパッドに変えられるようになったのは画期的なのだ。折りたたみ式の新たなメリットを、サムスンは実証しているといえる。
筆者は、折りたたみ式スマートフォン向けに最適化したソフトウェアがもっと登場することを願っている。Appleも、サムスンと同じような課題に直面するはずだが、特に「iOS」と「iPadOS」の適応が問題だ。
数年前から、iOSとiPadOSは別々の道をたどることになった。Appleが、iPhoneでは実用性のない、「iPad」特有の機能を開発するようになったためだ。折りたたみ式iPhone、特にGalaxy Z Fold4のようなモデルとなれば、この2つのOSの再統合が必要になるだろう。あるいは、タブレットモードとスマートフォンモードに対応して変化する新しいソフトウェアプラットフォームの開発が必要になるかもしれない。
折りたたみ式iPhoneを、他社の折りたたみスマートフォンより傑出したものにするために、Appleは独自のソフトウェア機能(「iMessage」や「ポートレートモード」を思い出してほしい)を開発する可能性もある。
折りたたみスマートフォンは、安いものではない。Galaxy Z Fold4は1799.99ドル(約24万円)から、Galaxy Z Flip4は999.99ドル(約13万円)からだ。Apple製品となれば、さらにこれを上回っても不思議ではない。折りたたみ式ではない「iPhone 13 Pro」でさえ999ドル(14万4800円)はするので、折りたたみ式になったら、価格はどうなるのだろうか。
折りたたみ式iPhoneを成功させたければ、Appleは問題の解決策となる設計を実現し、品質を損ねることなく製造規模を拡大して、折りたたみ構造を最大限に活かせるハードウェアとソフトウェアを開発しなければならない。プレミアム価格は避けられないだろうが、高すぎてはいけない。
ということで、折りたたみ式iPhoneの現状はどうなのかと聞かれたら、まだどうなるか分からないと答えるしかない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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