リクルートマネジメントソリューションズは8月5日、「リモート下の会社員の学びに関する実態調査」の結果を公表した。調査期間は2022年2月、調査対象は、新型コロナウイルスの発生以降現在も同じ会社で勤務しており、テレワークの頻度が週または月の半分以上に増えたと回答した832人。
過去1年の仕事に関する学びについて「コロナ禍前と比べて、満足度がどのように変化したか?」と聞いた設問では、「あまり変わらない」という回答がもっとも多く42.4%、次いで「どちらかといえば高くなった」が31.9%となった。
また、コロナ禍前の2019年に行なわれた同様の調査と比較し、「現在携わっている仕事に直結する学び」は、「あった」「 どちらかといえばあった」が、2019年調査の62.5%に対し、2022年調査は64.5%で、有意な差は見られなかったという。
一方、「中長期的に自分のキャリア形成に役立つ学び」は、「あった」「どちらかといえば あった」が、2019年調査の43.8%に対し、2022年調査は54.9%と有意に多かったという。
この結果に対し、リクルートマネジメントソリューションズは「2019年調査ではテレワークを行っている程度によって条件付けをしていないため単純に比較はできない」と断った上で、2022年調査で「テレワーク中心」の働き方をしている人が、過去1年で仕事に関する新しい学びを得た割合について、「中長期的にキャリアに役立つ学び」を中心に、以前の調査に比べてやや増加傾向にあるようだと見解を示している。
「仕事に関する学びに使える時間」「対人ネットワーク(社内)(社外)」に関しての調査項目では、いずれも「あまり変わらない」という回答がもっとも多かった。
仕事に関する学びに使える時間に関しては、「増えた」「どちらかといえば増えた」との回答が計48.5%と約半数に迫り、「対人ネットワーク(社内)(社外)」に関しては「減った」「どちらかといえば減った」との回答が45%前後と多かったという。
学習機会についての機会についての設問では、「増えた」「どちらかといえば増えた」の計が特に多かったのは「副業、ボランティアなどの社外活動(70.3%)」「社外の社会人向けの専門教育プログラム(69.8%)」「社外のセミナーや勉強会(59.6%)」と、社外の学習機会だったという。
「通勤など仕事のための時間が減り、自由に使える時間が増えたため、通信制大学に入学し卒業を目指して学習中(20代開発)」「在宅勤務で日中の時間調整がしやすくなったため、2カ月に1回程度、組織改革についてのセミナーに参加(50代企画事務)」「オンライン開催で参加しやすくなり、月に1度程度、社外のビジネスセミナーに参加している(30代営業)」など、テレワークで仕事に関する学びに使える時間が増えたこと、オンライン化で手軽に社外の学習機会を活用できていることが伺える回答もあったという。
過去1年の仕事に関する学びで示した「現在携わっている仕事に直結する学び」「中長期的に自分のキャリア形成に役立つ学び」の程度への影響を確認したところ、「仕事に関する学びに使える時間の増加」「学習機会の増加」は、いずれの学びに対しても、有意な関係が見られたという。
今回の調査で「仕事に関する学びに使える時間」「学習機会」は減少した人より増加した人が大幅に多いこと、「対人ネットワーク(社内)(社外)」は増加した人より減少した人が大幅に多いことが示されたが、「仕事に関する学びに使える時間」「学習機会」の増加は、「対人ネットワーク(社内)(社外)」の減少よりも学びの程度に対して強い影響を与え、結果的にリモート下での学びを維持・促進したと推測されるという。
また、「中長期的に自分のキャリア形成に役立つ学び」に対する「社外の対人ネットワーク」の減少が与える影響は、今後懸念されるところだが、リモート化以外の要因である外出や会食の規制が緩和されることで状況が変わってくるとの見解を示した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」