社会人をメインターゲットにデジタルクリエイターを育成するデジタルハリウッドは8月5日、兵庫県神戸市の三宮に「デジタルハリウッドSTUDIO三宮」をオープンした。全国で36拠点あるSTUDIOのうち、直営では8拠点目、関西では大阪梅田、なんばに次ぐ3拠点目となる。
デジタルハリウッドは、1994年10月に日本初のマルチメディアスクールとして東京の御茶ノ水で開校。当時はCGや動画などのデジタルコンテンツ製作が学べる専門スクールというイメージであった。その後、インターネットの普及やハイスペックなゲーム開発など時代にあわせてプログラムを広げ、大学や大学院も運営している。
2012年から開校したデジタルハリウッドSTUDIOは、未経験の社会人を対象にウェブデザインとネット動画で半年のコースがあり、クラス授業とオンライン授業、個別指導を用意している。受講期間中は自宅でも、また全国どこのSTUDIOでも利用でき、各拠点では常駐する現役デザイナーなどのトレーナーから直接指導が受けられる。
社会人は決まった時間に決まった場所でスクールに通うのは難しい場合があるが、例えば平日は仕事帰りに三宮、週末は自宅か最寄りの姫路、出張先では新宿の拠点を利用するなど、ライフスタイルに合わせた学び方ができることを特徴としている。
授業内容は実践的で、ウェブデザイナー専攻ではデザイン、コーディング、ディレクションなどの技術的なスキルを学ぶだけでなく、卒業制作では企業や組織から依頼を受注するところからスタートし、企画、打ち合わせ、制作まで全て経験する。成果次第だが、クライアントからの受注案件がそのまま通常の依頼として採用されるケースもあるという。
STUDIO三宮でスクール事業部のSTUDIOチーフを務める石橋大輔氏によると、「大阪やなんばにも直営はあるが、神戸の人たちはできるだけ地元で学びたいという要望が強い。以前から神戸に拠点を設けて欲しいという声があった」という。京都や姫路と同じくPLB方式(ライセンス契約)での開校も考えたが、ニーズの高さもありトレーナーが常駐する直営にこだわった。
「すでに1期生として12人の入学が決まっている。最も多いのは30代の女性たちで、ネイルサロン、アパレル、ホテルなどの接客業の傍ら、もう1つのスキルとしてデジタルクリエイティブを身に付けたいという方が多い。三宮にはまだないが主婦ママ専用クラスもあり、子供を保育園などに預けている間に集中して学びたい、という方に好評だ」と石橋氏は語る。
場所は、神戸の中心地である三宮の主要駅からいずれも徒歩数分の便利な場所にある。スペースはコンパクトだが内装は山と海に近い神戸をイメージした、カジュアルでお洒落なシェアオフィスといった雰囲気だ。カラフルなリゾート風の作業ブースはカーテンで仕切れば、集中作業や打ち合わせにも利用できる。
オープンスペースではビデオ会議を利用した他の拠点との連携や、特別講義を行うといったことも計画されている。情報交換や仕事の依頼などができるコミュニケーションボードも含め、施設は卒業後も利用できるそうで、ハイスペックなマシンで作業ができるリモート環境として活用できるメリットもありそうだ。
自身も学生時代は神戸で学んでいたという石橋氏は「コロナの収束がなかなか見えない中でも新しいデジタルスキルを手に入れて大海原に旅立とうという方たちを応援し、出発地点でありながらいつでも帰れる『港』のような存在にしたい」と話す。内覧会では地元開催イベントとの協力といった話も飛び出しており、新しいコミュニティの場になることも期待されているようだ。
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