Audiは、自動車工場のデジタルツイン作成に必要なデータを得る3Dスキャン作業で、Boston Dynamicsの4足歩行ロボット「Spot」を使用していると発表した。
Audiは、総面積およそ400万平方mという各地の13工場について、2017年よりデジタル化に取り組んできた。ただし、これまでの3Dスキャン方法は、夜間や週末といった操業の空き時間しか作業できず、階段やドアで作業を中断する必要があるなど、効率的でない。たとえば、10万平方mある施設の3Dスキャン作業に、3週間かかっていたそうだ。
そこで、NavVisの3Dスキャン装置をSpotに取りつけ、3Dスキャン作業の効率化を図った。その結果、Spotは移動ルートを自動的に決定し、48時間で作業を終えたという。
こうして得られた3Dデータにもとづき、Audiは工場の内部をデジタルツインとして再現する。デジタルツインを活用すると、仮想現実(VR)環境で製造設備やインフラの配置を検討することが可能になる。たとえば、自動車の新モデルを実際に作る何年も前から計画を検討するなど、生産効率を向上できるとした。
取り組みの紹介ビデオ(出典:Audi)
なお、BMWもNavVisのシステムを使って工場のデジタルツイン化に取り組んでいる。また、BMWがバーチャル工場作成に利用しているNVIDIAのメタバース開発ツール「Omniverse」は、Siemensの製造現場向けシミュレーター「Xcelerator」と連携可能だ。
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