アップル、HMDのVRモードとARモードで遮音性を変えて没入感を調整--特許を取得

 装着したユーザーに映像と音を伝えるヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のコンテンツを利用する際に必要なウェアラブルデバイスだ。構造や仕組みを工夫した、VRとARの両方で使えるHMDも存在する。

 ただし、VRモードの場合は、没入感を高めるため外部の音をできるだけ遮断しなければならない。一方、ARや複合現実(MR)で使う場合は、遮音性はあまり重視されなかったり、逆に外部の音を遮断してはならなかったりする。

 Appleは、動作モードに応じて遮音性を変えられるHMD向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月21日に「DISPLAY DEVICES WITH MULTIMODAL AUDIO」(特許番号「US 11,366,325 B2」)として登録された。出願日は2020年10月7日、公開日は2021年1月21日(公開特許番号「US 2021/0018758 A1」)。

登録されたAppleの特許(出典:USPTO)
登録されたAppleの特許(出典:USPTO)

 この特許は、音声動作モードを切り替えられるHMDで、外部音に対する遮音性を各動作モードで変える技術を説明したもの。動作モードは第1と第2の2種類あり、第2モードになるとイヤーピースの音を伝える機構が変化し、外部の音を遮断する仕組みになっている。こうすることで、VRコンテンツ視聴時には第2モードに切り替えると、没入感を高められる。

第1モードは、耳を塞がず遮音性が低い(出典:USPTO)
第1モードは、耳を塞がず遮音性が低い(出典:USPTO)
第2モードは、耳を塞いで遮音性を高める(出典:USPTO)
第2モードは、耳を塞いで遮音性を高める(出典:USPTO)

 イヤーピース自体には、ユーザーの耳にフィットし、音を伝える本来の役目も当然持たせる。また、モード切り替え途中で音が耳に伝わらないようにする機構も設ける。

 なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。

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