--多くのメタバースで構成されるマルチバースについて、詳しく聞かせてください。この1年間、御社はSamsung 837Xで「Galaxy S22」発表イベントの鑑賞パーティーを主催し、先頃、Robloxでバーチャルコンサートを開催しました。御社はどのようなことを期待して、それらのイベントに臨まれたのですか。
期待は控えめでしたが、同時に希望に満ちあふれていました。そのバーチャルイベントを主催する前に、音楽パフォーマンスやゲーム化体験など、他社による同様の体験のベンチマークを実施したのですが、実のところ、当社の規模がそうした会社の5倍もあることが分かったのです。自社の既存のマーケティングチャネルを活用することで、もう少し野心的になってもいいのではないかと思いました。
Robloxで「Galaxy Superstar」イベントを主催した週末には、サーバーに100万人以上のユーザーがいました。100万人が店に入って来るところを想像してみてください。これまでの道のりは本当に素晴らしいもので、ユーザーの反応を受けて、われわれはもっと大規模なことをやりたいと考えるようになっています。
--メタバースへの進出に関して、最も困難だったのは何ですか。
私がメタバースについて興奮を覚えるのは、未知の要素が多いことと、まだ開拓されていない可能性を秘めていることです。われわれは、消費者とかかわり合うベストな方法を常に理解して、さまざまなプラットフォームや手段をテストし、最終的にチームとして学び、成長しています。2022年のCESでの最初の体験の準備には数カ月かかりましたが、関係者全員にとって常に学びのある体験でした。
--現実世界のマーケティング戦略は仮想世界にも応用できますか。
全体として見ると、応用できると思います。われわれは主にソーシャルチャネル(TwitterやFacebook、Instagramなど)から収集済みの情報に基づいて、ターゲットとなる消費者を決めているからです。ただ、私はメタバースの真の可能性を確認したかったので、有料マーケティングではなくオーガニックマーケティングを選びました。有料キャンペーンは数字を作り上げているとも言えるので、社内のソースだけで何十億件ものインプレッションが発生しているのを見て、何か凄いことをやりかけているのだと認識しました。
また、メタバースに関するメッセージに対して、特定のチャネルが良い反応を示してくれることにも気づきました。奇妙なことに、Twitterが最も成功しています。
--メタバースの導入を日和見している企業に対して、何かアドバイスはありますか。
独自のメタバースを立ち上げようと計画している企業に対しては、次のようにアドバイスしたいです。大胆になること、時間をかけて、コンセプトについて読み、調査し、内側から理解すること、そして、自社のブランドに忠実であり続けることです。この冒険的な取り組みに疑念を抱いている企業もあるかもしれませんが、実際のところ、顧客がすでにそこにいるのなら、企業もそこに対応するべきなのではないでしょうか。
今から何年も前、私がアシスタントブランドマネージャーを務めていたとき、私たちはアイデアのブレインストーミングをしながら、「おばあちゃんでも理解できるだろうか」といつも尋ねていました。メタバースでは、そのストレステストは、「子供でも理解できるだろうか」という質問に変わっています。
--最後に聞いておきたいことがあります。メタバースでのサムスンの未来に向けた次の一手は何でしょうか。
われわれは、メタバースで今よりもはるかに多くのことを成し遂げたいと考えています。それは間違いありません。自社の戦略はしっかり把握しているので、今重要なのは、これらの体験の魅力と革新性を高めて、「Unpacked」のような重要なイベントとタイミングを合わせることです。近いうちに、オフラインとオンラインの取り組みによって、その戦略を一歩進め、現実世界と仮想世界で相互作用できるようにするので、注目していてください。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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