インテル、台湾MediaTekのチップを受託製造へ - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 高橋朋子 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2022年07月26日 10時34分

 Joe Biden米大統領は、CHIPS法を強力に推進しているが、超党派の一部支持半導体業界の激しいロビー活動にもかかわらず、議会での意見の相違により、資金の提供は何カ月も実現しないままとなっていた。しかし先ごろ、上院で同法案を推進するための投票が賛成多数を得たことから、Intelが計画している各新工場の建設にかかる100億ドル(約1兆3600億円)の費用のうち、およそ30億ドル(約4090億円)が連邦政府の補助金によって賄われる可能性が高まった。

 Biden氏は、防衛、運輸、医療業界の幹部らとの会合で、「私の考えでは、CHIPS法は米国の競争力と技術的な優位性を高めるものになる」と述べ、この新たなCHIPS法を喧伝した。2021年に起こったインフレでは、自動車価格が物価上昇率の3分の1を占めたが、これは半導体不足でメーカーが自動車を製造できなくなったためだと同氏は述べている。

チップ生産の課題

 米半導体工業会(SIA)の2021年の報告書によると、米国で製造されている半導体の割合は現在およそ12%で、1990年の37%から減少している。

 Intelが追いつくためにすべきことは多い。TSMCはファウンドリー企業の中でも群を抜く最大手で、Intelの拠点であるアリゾナ州フェニックス近郊の新工場などに積極的な投資を行っている。そしてサムスンはプロセッサーの心臓部にあたるトランジスター回路の再設計によって最先端チップ開発でIntelとTSMCより優位に立っている。サムスンは6月、消費電力を抑えて性能を向上させたGAA(Gate All Around)技術によって最先端チップの量産を開始したと発表している。

 MediaTekはスマートフォン向けプロセッサーやワイヤレスネットワーキング用モデムチップなどを製造するQualcommやサムスンと競合している。そのためチップ生産の選択肢を広げるためIntelを選んだ。

 MediaTekのコーポレートシニアバイスプレジデントを務めるN.S. Tsai氏は、Intelの手を借りることで「より多角的なサプライチェーンを構築」できるだろうとして、「長きにわたる協力関係を築けることを楽しみにしている」と述べた。

 MediaTekはIntelの16ナノメートル(nm)プロセスを改良し、家電などのIoT製品に利用されるチップを製造する予定だ。一方、TSMCはMediaTekの高価格帯製品である新しいスマートフォン向けプロセッサー「Dimensity 9000」を先端技術の4nmプロセスによって製造している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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