Googleは米国時間7月19日、欧州経済領域(EEA)で「Google Play」ストアのルールを更新し、アプリ開発者がGoogle Playの課金システムの代わりに、競合他社の課金システムを利用できるようにすると発表した。この変更は、欧州連合(EU)で近く施行されるIT大手規制法を順守していることをアピールするのに役立つとみられる。EUの新法は、IT大手が公正かつ公平な競争の場で事業を行うよう求めるものだ。
アプリ開発者は従来、Google Playの課金システムを使用するしかなかったが、EEAでは今後、それ以外の課金システムも利用できる。これを選択する開発者は、Googleに支払う手数料が3%削減される。同社によると、開発者のほとんどは15%かそれより少ない手数料を課されているため、その場合の手数料は12%以下となる。
Googleはこのルールを当面、非ゲーム系アプリにのみ適用するが、今後ゲームアプリにも拡大する計画だ。
Googleのポリシー変更を促したのは、欧州連合(EU)におけるテクノロジープラットフォームの運営方法を規定する新たな2つのデジタル法の導入だ。これらの法律が今秋に施行される前に、巨大IT企業が自社プラットフォームを適合させるために行ういくつかの変更のうち、Googleの動きは最初のものになりそうだ。
新たな規制法は、インターネットユーザーの権利を保護するデジタルサービス法(DSA)と、デジタル分野における公正かつオープンな競争を生み出すことを目指すデジタル市場法(DMA)の2つで構成されている。両法案は、ソーシャルメディアとオンラインマーケットプレイスを含む、全てのデジタルサービスを対象とした一連の新しい規則を示すものだ。巨大IT企業がDMAに違反した場合、世界売上高の最大10%の制裁金を科される恐れがある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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