玩具にもパーソナル化の波が押し寄せている。
大手玩具メーカーのHasbroと3Dプリンターを提供するFormlabsは、自分の顔でカスタマイズできるアクションフィギュア「Selfie Series」を発表した。このシリーズには、Marvel、Disney、「スター・ウォーズ」、「ゴーストバスターズ」、「パワーレンジャー」、「GIジョー」の映画や玩具シリーズのキャラクターが含まれている。提供地域は米国のみ。
スマートフォンアプリ「Hasbro Pulse」を使って顔をスキャンし、髪型やキャラクターを選んで送信すると、Hasbroはそれをパーソナライズされたアクションフィギュアとして3Dプリントする。1体59.99ドル(約8200円)で、2022年秋に発売予定だ。
Selfie Seriesは、3Dプリントによって可能となるカスタマイズの分かりやすい例といえる。3Dプリントは、材料を1層1層積み上げて造形する製造方法だ。細部が個々に異なるそのような商品の製造は、プラスチックの射出成形や金属加工といった従来の方法では、デザインのカスタマイズにあまりにもコストがかかり、単純に製造不可能な形状も存在するため、実用的ではない。
調査会社のIDTechXは、3Dプリンターの市場規模が2020年代後半には99億ドル(約1兆3600億円)に達し、3Dプリント材料の売上高は2032年までに295億ドル(約4兆700億円)に達すると予想している。
HasbroとFormlabsは、Selfie Seriesプロジェクトに着手する前から連携し、HasbroはFormlabsの3Dプリンターを使って試作品を作成していた。Selfie Seriesに対してFormlabsは、滑らかで細かいパーツを造形する3Dプリント技術と、プラスチック製のアクションフィギュアに一般的に求められる耐久性を備えた樹脂製法を提供した。
Hasbroは、アクションフィギュアの交換が必要になった場合に備えて、3Dの顔スキャンデータを商品出荷後60日間保管する。データをそれ以外の目的に使用することはなく、60日間の保存期間が終了した後に削除するという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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