大手ハイテク企業を狙い撃ち--反トラスト、プライバシー法案の成立を急ぐ米議会 - (page 2)

Marguerite Reardon (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年07月12日 07時30分

プライバシー法:上院の議事引き延ばしがもたらすリスク

 

 米国議会は数十年にわたり、消費者のデータを保護する包括的な法律の成立に挑み、失敗してきた。しかし2021年6月上旬、上下両院の有力議員からなる超党派のグループがAmerican Data Privacy and Protection Act(米国データプライバシー保護法)の草案を発表したことで、大きな突破口が開かれた。同法案は、データ企業による個人データの収集・利用について、連邦レベルの基準を定めることを目指している。

 同法案は6月下旬に下院のエネルギー・商業小委員会を通過したが、上院での審議は厳しいものとなりそうだ。上院で審議されるプライバシー関連法案はまず商業・科学・交通委員会の承認を得なければならないが、同委員会のMaria Cantwell委員長(ワシントン州選出、民主党)はすでに、同法案を支持しない姿勢を明らかにしているからだ。The Washington Postによれば、Cantwell委員長はその理由として、同法案には「法施行上の大きな欠陥」があり、効力が極めて弱いこと、また、画期的と評されている、カリフォルニア州のConsumer Privacy Act(消費者プライバシー法)などの州法よりも優先されることを挙げている。

 この連邦法が州法よりも優先される問題は長年、交渉の障害となってきた。州によって法律が違うと、法令遵守が難しくなるというのが共和党の主張だ。消費者が企業を直接訴える権利についても、民主党と共和党の間で意見は食い違う。法案が成立すれば、消費者は企業を相手取ってプライバシー訴訟を起こせるようになるが、それは4年先の話かもしれない。

 Kovacic氏は、現在提出されている反トラスト法案とプライバシー法案が完璧ではないことを認めつつも、消費者のプライバシー問題が放置されてきたことの方が問題だと指摘する。

 「この問題に関しては『完璧』ではなく、『十分良い』というレベルを目指すべきだ」と同氏は言う。「連邦レベルの包括的な規制の必要性はかねてから指摘されてきた。それにもかかわらず、この10年間のほとんどを私たちは議論だけに費やしてきた」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]