もう1つ、今回のマイナポイント事業の第2弾での懸念は、ポイント還元先となるキャッシュレス事業者の反応だ。冒頭で紹介した記事でも、選択できる決済サービスは6月30日時点で82、7月下旬以降で92とされている。充分といえば充分な水準だが、還元額に反比例してトータルの申込数は第1弾のそれを下回る可能性がある。
理由としては前項までで述べた通りだが、紐付け後も併用が可能な健康保険証と比べ、公金受取口座の登録そのものに抵抗を覚える層が一定以上いる。また健康保険証もマイナンバーカード経由で利用できる場所は現状で極度に限られるため、使えないということで「スルー」してしまう人もそれなりにいるだろう。
あるキャッシュレス事業者は「現時点では開発リソースの問題もあり(第2弾対応の)優先順位は低く、今後対応の可能性はあるが、いまのタイミングでは見送った」と述べている。第1弾では自社のサービスへの導線となることへの期待が高かったことから、どのキャッシュレス決済事業者もこぞって対応を進めていたが、今回はその波も一段落したことがあり、全体にモチベーションが低い印象を受ける。
ポイント還元分の利用効果はあるものの、対象となるのはその多くが前回の時点で登録したユーザーであり、あくまでその延長に過ぎないということだ。実際、第2弾の施策が「普及率100%に到達するための残りの5割のユーザー獲得」につながるためのモチベーションを喚起できているかといえば、おそらく否というのが今回の難しい点だ。
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