SpaceXの従業員らが最高経営責任者(CEO)Elon Musk氏の行動に懸念を表明し、職場文化の改善を求める書簡を幹部らに送った件で、同社がこの従業員らを解雇したという。The New York Times(NYT)が米国時間6月17日に報じた。
この書簡は、15日に「Microsoft Teams」の社内チャンネルに投稿されたもので、Musk氏の「特にこの数週間の公の場での行動は、しばしば私たちの気を散らし、恥ずかしい気持ちにさせた」と書かれていたとされる。コピーを入手したThe Vergeによると、「彼の発言が、私たちの仕事、ミッション、または価値を反映していないことを、私たちのチームと潜在的人材プールに対して明らかにすること」を幹部らに求める内容だったという。
NYTによると、SpaceXのプレジデント兼最高執行責任者(COO)であるGwynne Shotwell氏は16日までに、「(公開書簡に)関与した複数の従業員を解雇」したことを電子メールで明らかにしたという。解雇された従業員の数は不明だ。
その電子メールを確認したNYTによると、Shotwell氏はその中で、「その書簡、要請、全般的なプロセスは、従業員に不快感、恐怖感、強迫観念を与えた」とし、「当社には、達成しなければならない非常に多くの重要な仕事があり、このような行き過ぎた活動は不要だ」と述べたという。
書簡の中で従業員らは同社に対し、包摂的な職場の構築に責任を持つ指導的役割を担い、職場文化に関する方針を明確に定義して徹底することや、Musk氏のTwitterでの言動を非難することを求めたとされる。Musk氏はTwitterの買収も計画している。
今回の書簡の1カ月近く前には、Musk氏が下半身を露出したと訴えた客室乗務員に、同社が25万ドル(約3400万円)を支払って和解したことが報じられていた。Musk氏はこれを真っ向から否定している。
また、複数の女性が2021年にSpaceXでのセクハラ被害を訴えている。例えば、元エンジニアはエッセイの中で、同社の文化は「あまりにもひどい荒廃と機能不全の状態にあり、結局は退社することが唯一の解決策だった」と記していた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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