欧州連合(EU)の欧州委員会は、ディープフェイクや偽アカウントなど、さまざまな形態の偽情報への新たな対策を定めた行動規範の改定版を、現地時間6月16日に公表する予定だという。ReutersとFinancial Times(FT)が報じた。「Facebook」を運営するMeta、Google、Twitter、Microsoft、TikTokが対象となり、順守しない企業には巨額の罰金が科される可能性がある。
欧州連合(EU)の「偽情報に関する行動規範」の改訂版により、ハイテク企業やソーシャルメディア企業は偽情報対策を支援するために、主要データを個々の国と共有することになると報じられている。ハイテク企業には、悪質なコンテンツを削除およびブロックする方法の開示が求められる。また、ディープフェイクなどの悪質なコンテンツの例が、より明確に記載されるという。ディープフェイクとは、実在の人物が実際にはなかった発言や行動をしているように見せかける偽造動画のことだ。
この行動規範は、自主的な順守を求めるものとして2018年に最初に導入されたが、Reutersによると、今後は共同規制となり、規制当局と署名者の両方が責任を共有することになるという。FTによると、署名者はビッグテック企業や市民社会団体を含めて30組織になるという。
ソーシャルメディアやオンライン技術企業には、事実に基づく情報を一般大衆に伝えるという点においても、対策の強化が求められるという。これには、「有害な偽情報」を抑止するためのツールの開発やファクトチェック機関との提携が含まれる。偽情報を抑止する方法としては、プロパガンダの削除や、独立機関によって検証された情報への「信頼性ラベル」の付与などが挙げられると、FTは報じている。
この行動規範は、2022年の「デジタルサービス法」(Digital Services Act:DSA)に基づいて施行される見込み。DSAは、ビッグテックの規制を目的とした画期的な法律だ。行動規範に違反した企業は、最大で世界売上高の6%の罰金を科される可能性があるとされる。Googleの親会社であるAlphabetとMetaの2021年の売上高が、それぞれ2570億ドルと1179億3000万ドルであったことを考えると、6%が巨額であることが分かる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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