温暖化でアルプスが「白から緑」に--衛星写真で判明

Monisha Ravisetti (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 吉武稔夫 (ガリレオ)2022年06月06日 12時50分

 1984年から2021年の38年間に撮影されたさまざまな衛星写真は、欧州で愛されているアルプスの山々に気候変動が及ぼす計り知れない影響を厳然と示している。

アルプスの山々
提供:Sabine Rumpf

 石炭を燃やすなど、主に人間の経済活動によってますます進む温暖化現象と直接関連する要因により、年を追うごとに山頂の雪が溶けているだけでなく、雪に覆われていた場所が急速に「緑化」、つまり驚くほど大量の植物が繁茂している。

 米国時間6月2日に 「Science」誌に掲載された論文は、「白から緑へ」と題されている。

 気候危機の結果として地球の気温が上昇し熱帯雨林が拡大しているため、植物が本来根付くはずのない場所で繁殖し始めている。このような侵入により、思ってもみないような地域で植物が繁茂することがあり、アルプスでもこういった現象が起こっている。

 この論文の主執筆者であるバーゼル大学のSabine Rumpf氏はニュースリリースで、「アルプス山脈の植物は厳しい環境に適応してきたが競争力は強くない」と述べている。環境が変化すると、その環境に適応した種が強みを失って生存競争に破れ、「そのためにアルプス特有の生物多様性は危機的な状況にある」という。

 これまで植物が少なかった場所に緑が増えるのはいいことだと思えるかもしれない。もちろん植物は、地球にとってなくてはならない存在だ。しかし、それが常に正しいとは限らない。特にアルプス地域においては。

 Rumpf氏は、「山に植物が増えると、跳ね返される太陽光が減ってしまう。それで気温が上昇し、そのせいで今度は太陽光を跳ね返す雪もさらに減少する」と説明している。つまり、アルプスではすでに雪が溶けつつあるが、植物が増えすぎると、溶け出す雪の量が相当に増えてしまう可能性があるのだ。

 計測した地域のおよそ10%で顕著な雪の減少が見られるのは気がかりな兆候だとして、同論文の共同執筆者であるローザンヌ大学のGregoire Mariethoz氏はニュースリリースで、「何年にもわたって、地上における現地の計測でも標高の低い地域の積雪深が減少していることが分かる」と述べた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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